痴漢は憎むべき犯罪!だから、犯人がいれば捕まえるのに協力してあげようかな、なんて思っていた自分が犯人扱いされてしまったらどうしますか?

全く身に覚えがないのに、犯人と間違われてしまう。これほど残念なことはありません。

しかも、出勤途中であったりしたら、会社に遅れてしまうリスクがありますし、それどころか何日も身柄を拘束されてしまったりすれば、クビになってしまうかもしれません。

この記事ではそういったリスクを避けるため、どのようなことに気をつければいいのか、あらかじめやれることはないのかについて考え、具体的な対策について紹介していきたいと思います。

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痴漢冤罪事件の特徴

証拠が残りにくい犯罪であるがゆえに、間違われた場合に身の潔白を証明するのも難しいのが痴漢冤罪の特徴です。

ここ最近では、無罪判決を勝ち取るケースもいくつか出てきていますが、そこに至るまでには多大な時間と費用がかかったりしているはずです。

身の潔白を証明できるとしても非常にやっかいなことになるため、最近では「痴漢冤罪保険」という保険商品も発売され、話題を呼んでいます。

「痴漢冤罪保険」については以下の記事に詳しく書いています。

痴漢冤罪保険のメリットと問題点は?間違われるとどうなるのか

身近に起こりうることであるがゆえに、いつ自分に降りかかってきてもおかしくありません。

男性なら特に冤罪被害にあわないように気をつけておくのがよいでしょう。

痴漢冤罪を防ぐための具体的対策

事前にできる対策と、間違われた場合(直後)の事後の対策について分けて考えてみたいと思います。

実のところをいうと、決定的な策はないといってもいいかもしれません。

しかし、意識的に行動することで、リスクを可能な限り減らすことはできるはずです。

痴漢冤罪を防ぐための対策

事前の対策

事前の対策として以下のものがあげられます。

  • 女性の後ろに立たない
  • 両手を上げて立つ
  • 歩きスマホをやめる
  • ラッシュアワーを避ける

 

では、それぞれについてみていきましょう。

女性の後ろに立たない

電車では女性専用車両も増えてきていますが、女性全員がその車両に乗るわけではありませんし、男性専用車両はありませんので、男性は一般車両に乗るしかありません。

そこで、満員電車などでは、女性の近く、とりわけ女性の後ろに立たないようにすることです。

物理的に近くにいなければ、体に触れることもなくなりますので、有効な対策といえます。

しかし、混雑した車内でそう都合よく避けることができるかというと、難しい点はあるります。

両手を上げて立つ

混雑した車内で、女性の近くに立つことになってしまった場合、両手をつり革を持つなどして上げておくことで、疑われるリスクを減らせます。

もっとも、女性が前に立っている場合などは、後ろの状況は見えていないわけですから、その点は注意が必要です。

体勢を変えていないことを主張したり、近くの人に説明してもらって協力してもらうことも必要になってくるかもしれません。

ながらスマホをやめる

次は、歩きスマホなどのながらスマホをやめるということです。

歩きながらのスマホは危険であるばかりでなく、ぶつかったり、体に触れたりする危険が高まります。実際に、歩行中に冤罪に巻き込まれたケースもあるようです。

特に階段やエスカレーター使用時は注意が必要です。

もちろん、混雑して身動きが取りづらい車内での使用も注意が必要ですね。

ラッシュアワーを避ける

ラッシュアワーを避けることで、混雑した中に身をおかないことで、リスクは大きく軽減することができます。

もちろん全ての方ができる状況にはないと思いますが、ラッシュアワーの通勤時間帯をずらすことができる方は、試してみる価値はあるでしょう。

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事後の対策

次に、間違われてしまった後、とりわけ駅員室に行く前などの「直後」にどうするかということです。

間違われた直後にどのように行動するかによって、その後の展開が大きく異なるということがあります。ですので、慎重かつ冷静に行動することが必要です。

  • 毅然とした態度で否定する
  • 証拠を求める
  • 「すみません」と言わない
  • 名刺を渡して立ち去る
  • 目撃者(第三者)に証言を頼む
  • やり取りを録音する

 

では、順番にみていきましょう。

毅然とした態度で否定する

一番大切なのは、毅然とした態度で冷静に否定するということです。

いきなりケンカ腰になったり早口でまくしたてたりすると逆に怪しまれる可能性もありますので、得策とはいえません。

証拠を求める

自分が間違われた場合、とりあえず何か証拠があるのか尋ねましょう。

本人がどのように確認したのか、目撃者がいるのかなど、具体的に尋ねることでこちら側も反論しやすくなります。

「すみません」と言わない

身の覚えがないのであれば、「すみません」と言う筋合いはありません。

何もしていないのに謝ってしまうと、変な誤解を招いてしまいます。

「すみません」ということが口癖になっている方は特に注意しておいたほうがよいでしょう。

目撃者(第三者)に証言を頼む

自分の様子を見ていたであろう第三者に、やっていないことを証言してもらう手もあります。

つり革を両手で持っていたのであれば、少なくとも両手はふさがっていたことは明らかだとわかりますし、不自然な動きはしていないことなどを証言してもらえば納得してもらえる可能性は高まります。

やり取りを録音する

間違われた直後、どんなやり取りがあったのか録音しておくことは有効です。

なぜなら、当事者であっても記憶が変遷していき、時間の経過とともにお互いの言い分が食い違うということはよくあります。

客観的な記録があればこのような食い違いを防ぐことができます。

「逃げる」はありか?

過去にテレビ番組で現役の弁護士が痴漢に間違われた場合、全力で逃げて追っ手を振り切ればいいと発言したことがあり、話題となりました。

そのため、全力で逃げればいいと考えておられる方も一定数おられるようです。

確かに、間違われた側からすれば言いがかりをつけられているに等しいわけですから、なんら応じる義務はありません。何を言われようとも立ち去ることができればそれでもかまいません。

しかし、簡単に立ち去ることができない場合は問題です。

全速力で逃げるにしても、誰かにぶつかって怪我をさせてしまうかもしれませんし、大声で叫ばれながら追いかけられていると、それを聞いた周りの人に取り押さえられてしまうかもしれません。

逃げた挙句に捕まえられた場合は、「なぜ逃げたのか」ということが問題にされ、「やましいから逃げたのだろう」と判断されかねません。

また、逃げ切れたとしても、最近は至るところに防犯カメラが設置されていますので、それらの映像を調べられれば特定される可能性は非常に高いといえます。

このようなリスクがあるため、「逃げる」という方法は適切とはいえません。

さいごに

痴漢冤罪を防ぐための対策について、事前と事後に分けて説明してきました。

すでに身柄拘束されてしまっている場合は、当番弁護士を利用するのも手です。

当番弁護士制度という日本弁護士連合会が行っている初回だけ無料で弁護士が面会に来てくれるというものです。各都道府県弁護士会のHPに連絡先があります。

あと、冒頭でも触れた「痴漢冤罪保険」というものに入っておくというのもリスク軽減になります。

これをしておけば絶対大丈夫というようなものはありませんが、心がけ次第でリスクを減らすことはできますね。

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