*

役所への営業は可能?地方自治体と契約するには

公開日: : 最終更新日:2016/02/01 公法関連, 法律



取引先の新規開拓をしなければならない営業マンや経営者の方なら、顧客獲得のために知恵を絞っておられると思います。

取引先というと、BtoCなら個人、BtoBなら法人(主に企業)ということになりますが、実は「お役所」を取引先にするという選択肢もありえるんです。

お役所から仕事を受注することは決して簡単ではありませんが、受注することができれば企業や事業主としての信用力が上がることが期待できます。

この記事では、お役所、とくに地方自治体(地方公共団体)から仕事を受注するための営業活動の方法などについてざっくりと紹介していきたいと思います。

Sponsored Links

営業していいの?

地方自治体に営業をしてはいけないと思っている方もおられるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

しかし、お役所は原則として法令で定められたとおりにしか動いてはいけないことになっており、物品を購入したり、仕事を委託したりといったお金を使う場面においてもルールが厳しく決められています。

大切な税金を使うわけですから、当然といえば当然ですね。

地方自治体が契約を結ぶまで

地方自治体が企業や個人事業主に仕事を発注する場合は、その企業や個人事業主と「契約」を結ぶことになります。

どういった場合に契約を結ぶのかというと、以下のように定められています。

第二百三十四条  売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。

出典:地方自治法234条1項

つまり、地方自治体が契約を結ぶには、

  • 一般競争入札
  • 指名競争入札
  • 随意契約
  • せり売り

 

という方法があります。

しかし、この条文の次の項(地方自治法234条2項)では、「指名競争入札、随意契約又はせり売り」については、政令で定める条件をみたす場合に限ると規定していることから、一般競争入札が原則になります。

随意契約(ずいいけいやく)については以下の記事に詳しく書いていますので、よろしければ参考にしてください。

随意契約とは?締結できる場合(地方自治体編)

役所への営業は可能?

一般競争入札とは?

公共事業の話題などで「競争入札」という言葉をお聞きになったことがある方も多いと思います。

一般競争入札とは、自治体が入札の公告をして不特定多数の参加者を集め、その中から最も有利な価格で申し込みをした者と契約をするという制度です。

ちなみに指名競争入札というのは、不特定多数ではなく自治体が予め指定した者同士で入札させて競わせるものです。

要するに、地方自治体から仕事を受注しようとする場合は一般競争入札によって勝ち取るということが原則になります。
どうすればいいの?

ではどのようにすればいいのかというと、大まかには以下の流れになります。

  1. 入札参加資格審査を申請する
  2. 入札参加資格者名簿に登録(事業者登録)
  3. 発注情報を確認
  4. 入札に参加

 

では順番に見ていきます。

Sponsored Links

 

1.入札参加資格審査を申請する

まずは競争入札に参加するためには、それぞれの自治体の入札参加資格者名簿に登録されていることが必要になります。

そのためには申請をして審査を受ける必要があります。

希望する地方自治体(都道府県庁や市役所など)の公式ホームページにアクセスし、「入札」や「契約」、あるいは「事業者」といったキーワードの項目を探します。

そこをクリックすると手続きについて説明されたページが見当たるはずです。

記載された内容に従って、競争入札参加資格審査について申請します。

2.入札参加資格者名簿に登録(事業者登録)

申請を出して審査に通れば、競争入札参加資格者名簿に登録されます。

3.発注情報を確認

事業者登録ができましたら、発注情報を確認して、受注したい案件を決めます。

自治体の発注情報は、各自治体のホームページから探すというのが王道ですが、自治体の仕事情報の検索サービスを有料で提供しているところもありますので、そちらを利用するという方法もあります。

4.入札に参加

受注したい案件を決定すると、入札に参加するための手続きに入ります。

公募型の一般競争入札を前提とすると、大まかに以下のような流れになります。

  • 説明会(実施される場合)
  • 見積もり金額の計算(積算)
  • 入札参加

 

入札は、電子入札システムによる入札もあれば、オフラインによる入札もありますので、指定された方法で入札に参加します。

詳細は各自治体の情報を参照してください。

以上が仕事を受注するまでの大まかな流れです。

参考になる本

実際に個人事業主や中小企業が仕事を受注するための方法やテクニックなどについてわかりやすく書かれた良書がありました。

それは古田智子著『ビジネスチャンスはこんなに身近に! 地方自治体に営業に行こう!!』(実業之日本社)です。

(以下の画像クリックでアマゾンのページに飛びます)

現場経験豊富な著者が、経験に基づいたアドバイスなども書かれていますので、より実践的な内容に関心のある方には最適です。

さいごに

以上が地方自治体への営業活動、というか仕事を受注するまでのざっくりとした流れでした。

お役所は民間企業とは違い、経営者の一存で物事が決まるとか、担当者の好みで選ばれるといったあいまいな基準で選ばれるといったことはありません。

明確な基準のもと公平に判断されるシステムになっていますので、ある意味では厳しいですが、見方を変えると基準を満せば誰にでもチャンスがあるということでもあります。

行政サービスが多様化し、民間委託の業務も様々なものがありますので、事業者の方はチャンスがないかアンテナを張っておかれるとよいかもしれません。

<関連記事>

随意契約とは?締結できる場合(地方自治体編)

 

Sponsored Links

関連記事

改正障害者雇用促進法のポイント

障害者雇用促進法は、制定以来改正を重ねてきています。 平成25年に成立した改正法は、まだすべて

記事を読む

戸籍とは?本籍・国籍・住民票との違いについて

戸籍(こせき)は日本国民であれば誰もが関係のある制度です。 しかし、そうであるにもかかわらず、

記事を読む

警察と検察の違いをわかりやすく説明します

「警察(けいさつ)」と「検察(けんさつ)」ってなにが違うのかわかりづらい点がありますよね。 警

記事を読む

戸籍変更の手続きが必要なのはどんな時?一覧で紹介

戸籍(こせき)については、普段日常生活を送っているときにはあまり意識しませんが、結婚や離婚などで親族

記事を読む

18歳選挙権はいつから投票可能?成人年齢は変更なし

選挙権(せんきょけん)を得られる年齢がこれまで20歳以上だったのが、18歳以上に引き下げられることに

記事を読む

子供用自転車ヘルメットの選び方!おすすめは?

小さなお子さんを抱えている子育て中のママさんたちが、日々移動の手段として乗られることの多い自転車。

記事を読む

痴漢冤罪保険のメリットと問題点は?まちがわれるとどうなるのか

「痴漢冤罪保険」というものが販売され話題になっています。 痴漢の冤罪はここ数年、ニュースなどで

記事を読む

労働者派遣法改正(2015年)の内容と問題点

労働者派遣法改正案はこれまで2回廃案になっていましたが、国会で可決、成立し、2015年9月30日に施

記事を読む

マイナンバー制度と住基ネットの違いは?住民票コードとの関係は?

マイナンバー制度というものが始まることになっています。 一人ひとりに与えられる番号というと、過

記事を読む

自転車のスマホで片手運転はNG!違反にならない使い方は?

自転車の違反行為に対する取締りが厳しくなったと感じておられる方は多いと思います。 違反行為で比

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

NHK受信料ワンセグ携帯で支払い義務?裁判はどうなるのか

家にテレビがなくてもワンセグ機能が付いた携帯電話やスマートフォンを持っ

つや消しクリヤ2
マットブラック(つや消し黒)に缶スプレーで自家塗装する方法

塗装といえば、ツヤがあってピカピカに仕上げるというのが一つの方法ですが

SDカードが認識しない場合
パソコンがSDカードを認識しない場合の対処法

久しぶりにパソコン(ノートパソコン)にSDカードを挿入してみても全く反

CF-S10 天板交換
CF-S10(レッツノート)の天板と液晶パネルの交換に挑戦

パナソニック製のノートパソコンLet's Note CF-S10 の天

Windows update後回しでWindows10にアップグレード

Windows7や8からWindows10へのアップグレードする際には

→もっと見る

PAGE TOP ↑