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告訴と告発の違いをわかりやすく説明します

公開日: : 最終更新日:2015/07/29 刑事法関連, 法律



テレビなどでときどき聞く言葉に「告訴(こくそ)」と「告発(こくはつ)」というのがありますが、違いってあるんでしょうか。

どちらも「悪いことをしている人を捜査機関などに知らせる」というようなイメージをお持ちかもしれませんね。

それはそれで間違ってはいませんが、実は両者には結構大きな違いがあるんですね。

ということで、告訴と告発の意味と違いについて説明していきたいと思います。

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告訴と告発は何が違うの?

ちょっと難しいですが、それぞれの定義は以下のとおりです。

  • 告訴・・・告訴権者(こくそけんしゃ)が、捜査機関に犯罪事実を申告して訴追を求める意思表示のこと
  • 告発・・・告訴権者および犯人以外の者が、捜査機関に犯罪事実を申告して訴追を求める意思表示のこと

告訴と告発の違い

同じ点

告訴と告発は、犯罪の事実を捜査機関(警察や検察など)に申し出て訴追(そつい)を求めるという点ではどちらも同じです。

訴追を求めるというのは、裁判に訴えて処罰してください、ということです。

ちなみに組織内の人が不正を暴露する「内部告発」の「告発」は、ここでいう「告発」よりももっと広い意味として捉えられています。

違う点

違うのは、誰がするか(できるか)という点と、後に詳しく述べますが、それを行うことによって捜査機関に義務が生じるかどうかという点です。

告訴できる人、告発できる人がそれぞれ限られています。

告訴できる人

告訴ができる人は主に以下の人です。

  • 被害者
  • 被害者の法定代理人(被害者が未成年の場合の親権者・未成年後見人、被害者が成年被後見人の場合の成年後見人など)
  • 被害者が亡くなっている場合の配偶者、直系の親族または兄弟姉妹

この告訴できる人のことを告訴できる権利がある者ということで、告訴権者といいます。

告発できる人

告発ができる人は、

  • 告訴権者と犯人以外の人

です。

告訴できる人以外の人その犯罪の犯人以外の人なら誰でもできるということですね。一気にできる人の範囲が広がりました。

ということは、どんな犯罪でも誰もが捜査機関に申し出て訴追を求めることができると思ってしまいますよね。

しかし、告訴権者にしか申し出することができない犯罪というのがあるのです。

正確に言うと、告訴権者による告訴がなければ、訴追できない犯罪(親告罪(しんこくざい))というのがあるのです。

要するに、告訴権のない人が申し出をしたとしても、犯人を裁判に訴えて罪に問えないということです。

これが告訴と告発を分ける大きな意味です。なぜこのようなことになっているかは次の章で詳しく説明します。

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告訴権者しか申し出できない犯罪(親告罪)とは

親告罪には、以下の4つの類型があります。

  1. 被害者の名誉が関係するもの(名誉毀損罪や侮辱罪など)
  2. 事件が軽微なもの(器物損壊罪、信書隠匿罪など)
  3. 家族が関係するもの(親族間の窃盗など)
  4. 私権に関すもの(著作権侵害など)

 

まず1.についてです。犯人に刑を科すためには、捜査機関による捜査だけでなく、裁判に訴えて公の場(公開法廷)で裁きを受ける必要があります。これは、その犯罪事実が公(おおやけ)にされるということを意味します。

被害者が犯人を処罰することよりも事件が公になることを避けたい場合など、事実が公にされると被害者にとって不都合となる場合がありえます。そういった場合には、被害者など告訴権者の意思を尊重して訴追をするかどうかの選択権を与えたのです。

大阪地方検察庁があるビル

次に2.は、比較的軽い犯罪の場合です。軽い事件の場合、被害者は必ずしも捜査機関や裁判所を動かしてまで犯人を処罰して欲しいとは思わない場合があります。そういった意思を尊重して、告訴権者が望む場合だけに限定されています。

3.は、家族の間に起きた事件についてです。家族間の事件は、なるべく家族間で収めましょうという「法は家庭に入らず」という精神から、告訴権者の意思表示がある場合に限定されています。

4.は著作権などの私権(しけん)に関するものです。私権が侵害された場合に、犯人の責任を追及するかどうかは権利者の判断にまかせることが適切であるとの趣旨から、告訴権者の意思にゆだねられています。

余談ですが、一部報道によるとTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の交渉で、著作権法における著作権侵害の場合に、親告罪でなくそうとの調整がされているようです。

告訴・告発の仕方

告訴・告発は、警察または検察に対して書面または口頭で行う必要があります。

告訴の場合は、告訴できる期間が定められていて「犯人を知った日から6ヶ月」以内にする必要があります。

告訴・告発するとどうなる?

口頭で告訴・告発を受けた捜査機関は調書を作らなければなりません。このとき、被害届と混同されていないか注意が必要です。

警察が告訴・告発を受けたときは、事件に関する書類や証拠物を検察官に送付する必要があります。

検察官は、起訴(きそ)する(裁判に訴える)かどうかを判断し、その結果を告訴・告発をした人に伝える必要があります。

このように告訴・告発ということになると、捜査機関に以上のようなことをする義務が発生します。これに対して、被害届はこういった義務を生じさせません。ここが

被害届と告訴・告発の違いです。

さいごに

告訴と告発の違いについて、イメージをもっていただけたでしょうか。

告訴と告発でできる人が違うということと、告訴権者による告訴がない限り、刑事責任を追及することができない犯罪(親告罪)があるということがポイントです。

こういったポイントを押さえておけば、例えば、著作権法違反の行為は親告罪である以上、著作権をもっている人(著作権者)が告訴していない限り、いくら他人が騒いだとしても犯人を処罰できないということがわかります。

ですので、告訴・告発という言葉が出てきたら、親告罪が問題になるのかどうかにも注意してみてください。

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