自転車運転者講習制度が導入されてから、自転車のルール違反にスポットが当たり、これまでよりも取り締まりが厳しくなった感があります。

ルール違反ではないかと話題になっているものの一つが、自転車の傘さし運転です。

雨の日でも自転車に乗らざるをえない時ってありますよね。

でも雨の日の自転車は、傘をさしていても太ももなんかは結構濡れるし・・・という問題もありますが、自転車に乗りながら傘をさすのって、実はルール違反になってしまうことがあるんです。

ということで、この記事では、自転車運転時に傘を使用する場合に、ルール違反にならないために気をつけるべき点などについて書いていきます。

 

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片手で傘さし運転はNG!

ニュースなどで自転車の傘さし運転はダメ、といった報道がされたこともあり、ご存知の方も多いかもしれませんが、片手で傘をさしながら運転するのは違反になってしまいます。

根拠となるのは道路交通法です。

(安全運転の義務)
第七十条  車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

出典:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO105.html

片手で傘をさしながら運転するということは、ハンドルを片手でしか持つことができないため、ハンドルを確実に操作することができないと判断されるからです。

これは自転車の講習制度が始まったからというわけではなく、もともと違反とされるものでした。

警察官による取締りがあまり行われていなかったことから、あまり知られていなかったかもしれませんが、昔からそういった状態だったんですね。

傘立てはOK!?

傘をさしながらの運転といっても、「傘立て」は大丈夫なのでしょうか。

以前、ニュースなどで「さすべえ」は禁止されるといったような噂が一時広まったことがありました。しかしこれは誤解でした。

さすべえとは

さすべえをご存じない方のために、簡単に説明します。

さすべえというのは商品名で、自転車(主にママチャリ)のハンドルの中央部分に傘を固定するための金具のことです。

こういうヤツですね。

自転車の傘さし運転NG!傘立てOKの地域

大手通販サイトでも売られています。

さすべえ(楽天市場での検索結果)

さすべえ(Amazon.co.jpでの検索結果)

 

さすべえに適した自転車や、便利な使い方などについては以下の記事がとても参考になりますので、合わせてご覧ください。

自転車の傘スタンドは使えるか?さすべえで検証してみた!

 

はじめは大阪で大ヒットし、その後全国的に有名になっていきました。

さすべえ」が禁止になるのではとの噂は、以前、「交通の方法に関する教則」が改正される際に、さすべえのような傘立てが話題に上がったということが発端だったようです。

しかし、教則の改正で禁止になったことはありません。

地域によっては傘自体禁止!

片手で傘をさしながら自転車を運転することはダメで、傘立てなどで禁止になっていないということを書いてきました。

しかし、法律と教則はそれでいいのですが、都道府県が独自にさだめる道路交通規則などで傘を片手でさすか、傘立てで固定するかを問わず、自転車に乗る際に傘をさすこと自体を全面的に禁止している県があります。

それは、

  • 青森県
  • 岩手県
  • 山形県
  • 静岡県
  • 福井県
  • 三重県

です。この県では、残念ながら傘立ては使用できません

また、

  • 茨城県
  • 栃木県
  • 愛知県
  • 京都府
  • 広島県
  • 長崎県
  • 熊本県

では、交通量が少ないなどの条件を満たす必要があります。

 

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傘立てを使用するときの注意点

以下の点についても、注意してくださいね。

取り付けはしっかりと!

さすべえ」やその他メーカーの「傘立て」を使用する場合、

  • 傘立て(金具)をきちんと自転車に取り付けること
  • 傘をきちんと傘立て(金具)に取り付けること

をしっかり行う必要があることです。

きちんと取り付けられていないと、運転がフラついたり、傘が視界をさえぎったりして危険です。

このような状態ですと、先ほどの道路交通法の規定に反することになってしまいます。

これは商品そのものの問題ではなく、きちんと取り付けていない運転者の問題になってしまいますので気をつけてくださいね。

高さと幅にも注意!

それから、かさ立てに傘をつけた場合の自転車全体の幅と高さについて制限があります。

まず、傘を開いたりして自転車の60センチ長さ190センチを超える場合は道路交通法により歩道を走ることができなくなります(道路交通法63条の4第1項、同施行規則9条の2第1号)。

また、都道府県によって若干ばらつきがあるものの、おおむね自転車のハンドルのから左右0.15メートル(県によっては0.3メートル)ずつまで、高さは地上から2メートルまでという制限がありますので、この点も注意してくださいね。

 

自転車の傘さし運転NG!傘立てOKの地域2

傘立ては女性だけのものか?

さすべえをはじめ自転車の傘立ては、大阪のオバちゃん御用達の自転車用品としてヒットしました。最近は若いママさんたちも使っておられるのを目にすることも多くなりました。

ここで、自転車の傘立ては女性だけのものか?という疑問が湧いてきます。

数年前、管理人(男性)は片道15キロほどを3段変速のママチャリで通勤していました。このくらいの距離を毎日走るとなると、自転車は見た目よりも実用性・快適性を重視したくなります。

ある日傘立てを装着している自転車を見て、「アレいいかも!」と思い、傘立てを買ってきて取り付けてみました。雨の日、これがすこぶるいい感じでした。すごく快適で雨の日が楽しくなったのを覚えています。

それまで男性で傘立てを取り付けた自転車に乗っている人を見たことはありませんでした。

しかし、ある8月の炎天下スーツを着た営業マンと思しき男性2人(上司と部下と思われる)が、それぞれ傘立てを装着した自転車に、日傘ではなく雨傘をさして乗っているのを目撃しました。男性でも傘立てを使用している人はいるということですね。

真夏の炎天下で日差しがきつく、あまりにも暑い日だったので、とても共感できました。管理人も炎天下で自転車に乗る際、何度か雨傘(日傘は持っていないので)をさしてみましたが、これもまた快適だと気がつきました。直射日光をさけることができるのですからね。

その後、男性で傘立てを使っている自転車を見ることはほとんどありませんが、男性ももっと傘立てを使ってもいいのではないかと思います。

おわりに

最後のほうは、ちょっと話が脱線しましたが、片手運転になる自転車の傘さしは全国で違反になり、さすべえなどの傘立ては、青森県、岩手県、山形県、静岡県、福井県、三重県以外の県と、茨城県、栃木県、愛知県、京都府、広島県、長崎県、熊本県で交通量が多いなどの条件を満たさない場合以外は、使用することができます。

使用できない県もありますが、使用することができる都道府県の方は、安全に使用して、便利で快適な自転車生活を送ってくださいね。

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