善良なドライバーの皆さんであれば、いつ、いかなる場合でもおまわりさんの検問があっても、慌てることはないはずです。

しかし、自動車の検問は予期しない場所で行われていたりして、ちょっぴり緊張したりしてしまうこともありますよね。

特に忘年会のシーズンなどは、住宅街へ入ろうとすると飲酒検問が行われていたりします。

飲酒検問は、職務質問が任意(必ずしも応じる義務がない)なので、それと同じように拒否もできると思われている方も多いかもしれません。

そのとおりなのですが、飲酒検問の場合は通常の職務質問や自動車検問と少し違った事情がありますので、注意すべき点があります。

その点について触れていきたいと思います。

 

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飲酒検問の理屈

飲酒検問は通常、交通違反の予防検挙を目的として、不特定の車両に対して行われる交通検問の一環として行われるものです。

飲酒検問の場合は、

  • 車両を停止させられるまでの段階
  • 呼気検査を求められる段階

 

二段階で法律上の根拠が異なります。これらが混同されて誤解を生みやすい点です。

順番に見ていきましょう。

飲酒検問の拒否はNG?呼気検査を断るのは違法

車両を停止させられるまでの段階

この段階は、通常の交通検問と同じです。車の外観からは交通違反の疑いなどがわからない不特定車両に対する検問は、「交通の取締」を警察の責務として定める警察法2条1項に照らし、

  • 任意の協力を求める形で行われること
  • 自由を不当に制約することにならない方法・態様であること

 

を条件にして、適法であるとされています。

つまり、任意で行われるというものです。

では、これを拒否して走り去ることができるのかというと、実際上は難しいと思われます。

これは職務質問を拒否することと似たような面がありますので、よろしければ、以下の記事も参考にしてみてください。

職務質問はむやみに拒否しないほうがよい理由とは

飲酒検問でも無理にでも走り去ろうとすると、不審な点があると思われる可能性がありますし、警察官と接触でもしたら、別の罪で捕まえられる可能性もあります。

素直に応じることが無難です。

 

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呼気検査を求められる段階

交通検問は任意でしたが、呼気検査を拒否した場合には罰則があります。

3  車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者が第六十五条第一項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは、警察官は、次項の規定による措置に関し、その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため、政令で定めるところにより、その者の呼気の検査をすることができる。

出典:道路交通法67条3項

上記条文の中の「第六十五条第一項の規定」というのは、

何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

出典:道路交通法65条1項

というもので、酒気を帯びて車を運転することを禁止した法律です。

このおそれのある人に対して、警察官は呼気検査をすることができます。

具体的な方法(「政令で定めるところ」の方法)は、

呼気を風船に吹き込ませることによりこれを採取する

というものです。

罰則

これを拒否したり、妨げた場合は、

三月以下の懲役又は五十万円以下の罰金

という罰則(道路交通法118条の2)があります。

つまり、呼気検査を拒否したり妨げた場合は、罪になるということです。

時々、職務質問と同じように拒否できると誤解される方もおられるようですが、違いますので要注意です。

さいごに

以上、検問と呼気検査についての説明でした。

飲酒検問については、通常の交通検問や職務質問とは違って、検問に続く呼気検査があり、これを拒否することには罰則がありますので、絶対に間違わないようにしてくださいね。

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