刑事法関連 法律

警察と検察の違いをわかりやすく説明します

投稿日:2015年4月2日 更新日:



警察(けいさつ)」と「検察(けんさつ)」ってなにが違うのかわかりづらい点がありますよね。

警察を舞台にした刑事ドラマはよくありますし、検事(検察官)を主人公にしたドラマもあります。

刑事ドラマでいう刑事さんや交番・駐在所のおまわりさんは警察官です。

検察官も刑事さんのように事件を捜査するイメージがありますが、警察官となにが違うのでしょうか。この違いについて説明していきたいと思います。

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警察と検察は全く別の組織

警察と検察は、似ているようで実は全く別の組織なのです。

警察は都道府県警察・警察庁

刑事さんやおまわりさんが属するのは、都道府県警察で、各都道府県におかれる警察本部というところになります。

「○○県(府)警察本部」などといわれるところですね。県警とか府警とか略されることもあります。

ただ、東京だけは東京都警察本部とはいわずに「警視庁」といわれます。

このように地方機関としての警察がありますが、警察庁というのもあります。こちらは全国の警察の監督官庁のような存在で、都道府県警察とは別組織の国家機関になります。

警察官になるには

都道府県警察の警察官になるには、各都道府県警察の警察官採用試験に合格する必要があります。

また警察庁の職員になるには、国家公務員試験(Ⅰ~Ⅲ種)などに合格して採用される必要があります。

警察と検察の違い3

検察は検察庁・法務省

検圧官は警察官と違い、独任制(どくにんせい)の官庁といわれ、一人ひとりが検察権を行使する行政庁と扱われます。

検察官は検察庁(法務省の「特別の機関」)に所属し、公訴提起(こうそていき)維持を主な職務としています。

公訴提起とは、裁判所に訴えを起こすということです。

刑事事件の被告人となった人が、法廷での様子や判決を言い渡される様子が報道されることがありますが、そういった裁判をはじめるために訴えを起こす役割を担っているのが検察官なのです。

ちなみに警察官に刑事という官名があるように、検事というのも検察官の一つの官名です。

裁判所に訴えを起こして判決が出た場合、検察官か被告人のどちらか、あるいは両方に不服があれば上訴(上の裁判所に訴えて再度審理してもらうこと)でき、合計3回まで審理してもらうことができます。

その裁判所にあわせて対応する検察庁があり、上訴した場合は上級の検察庁の検事が担当することになります。

  • 地方裁判所(地裁)  ・・・ 地方検察庁(地検)
  • 高等裁判所(高裁)  ・・・ 高等検察庁(高検)
  • 最高裁判所(最高裁) ・・・ 最高検察庁(最高検)

検察官になるには

検察官になるには、司法試験(しほうしけん)に合格する必要があります。

司法試験というと、弁護士になる試験というイメージがありますが、もともとは裁判官、検察官、弁護士になろうとする人が受験する試験です。検察官は法律の専門家ともいえるのですね。

司法試験に合格した後、司法研修所というところで研修を受けながら適性を見極められてなることができます。

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役割分担

刑事事件の捜査は大きく分けて二つあります。それは、まず警察が捜査をはじめるものと、いきなり検察が捜査をはじめるものとの二種類です。

警察の捜査から始まる事件

警察が捜査をはじめる事件は以下のような流れになります。

  1. 警察が捜査を開始
  2. 警察が被疑者を逮捕・取調べ
  3. 検察官送致
  4. 検察官による取調べ
  5. 起訴
  6. 裁判所での審理
  7. 有罪判決

法律上、警察は事件を全て検察官へ送らなければいけないことになっています。

これを3.の検察官送致(けんさつかんそうち)といいます。

ちなみに書類送検というのは、被疑者が逮捕されていない場合に行われるもので、検察官送致の一種です。書類送検についてはこちらの記事に詳しく書いています。

犯人と思われる人物を処罰するには、裁判所による審理を経て有罪判決が下される必要がありますが、裁判所に訴えを起こすことができるのは検察官だけです。

警察が被疑者を逮捕したとしても、そのまま処罰することはできず、検察官に事件を送って、裁判所に訴えを起こす(起訴)必要があります。

警察から送られてきた事件を裁判にするかどうか判断する権限をもっているという意味で非常に重要な役割を担っているのが検察官なのです。

訴えを起こすためには、被疑者などの供述や証拠物をそろえたりするなどの準備が必要ですので、捜査も行います。

また、検察は警察に対して指示や指揮をすることができる権限もあります。

裁判を担当する検察官と捜査を担当する検察官が別れていることが多く、取調べをした検察官が裁判に出てくるとは限りません。

警察と検察の違い

検察の捜査から始まる事件

警察の捜査から始まる事件に対し、検察が直接捜査をはじめる事件もあります。

東京・大阪・名古屋の3つの地方検察庁にだけ置かれている特別捜査部、通称特捜部(とくそうぶ)が行うような事件です。

例えば、政治家が絡む事件や、経済事犯などは有名です。テレビニュースなどで「東京地検特捜部による家宅捜索が行われようとしています」と係官が列をなして捜索に入っていく様子が報道されるような事件です。

こういった事件の場合は、以下のような流れになります。

  1. 検察官が捜査を開始
  2. 検察官が被疑者を逮捕・取調べ
  3. 起訴
  4. 裁判所での審理
  5. 有罪判決

検察が独自に捜査を開始する事件は、政治家の汚職事件などの政治犯や、インサイダー取引や脱税事件など、証券取引等監視委員会や国税庁などの告発を受けた事件、巨額な詐欺事件などです。

さいごに

地方検察庁特別捜査部(地検特捜部)のように、検察が独自に事件を捜査することがあるので、その点が警察と検察の違いをわかりにくくしている原因かもしれません。

しかし、警察は第一次的に捜査をして検察に事件を送り、検察は法律の専門家として起訴するかを判断するという役割分担があるということがポイントです。

ニュースなどの報道に接するときは、この点を意識してみてくださいね。

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