不要になった家電製品どのように処分していますか?
まだ使える物であれば、誰かにあげたり、リサイクルショップなどに持っていったりして、次の人に使ってもらうことができます。
しかし、壊れて使えないものや、多額の修理費がかかるもの、古くて価値のないものなどは、捨てるしかありません。
家電製品を捨てる場合、法律によって普通の家庭ごみと一緒に捨てることができないものがいくつかあります。
法律は3つあって対象品目がそれぞれ違い、内容も家電製品の種類によって少し違っているところもあります。
そのため捨てる時、どの家電製品にどの法律が関係するのかがわかりにくくなっています。
そこで、家電製品を廃棄する際に問題になる3つの法律と、それぞれ対象となる家電製品について整理してみたいと思います。
Contents
問題になる3つの法律
「○○リサイクル法」といわれるような法律によって、リサイクルなどについての内容が決められています。
家電製品を廃棄する際に問題となる法律は以下の3つです。
- 家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)
- 小型家電リサイクル法(使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律)
- 資源有効利用促進法(資源の有効な利用の促進に関する法律)
これらの法律は通称「○○リサイクル法」などと呼ばれることが多いですが、正式名称はそれぞれ上記カッコ内のようになっています。
家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)
この法律は主に、以下の対象4品目の廃棄物を減らしたり、リサイクルが進むように販売店やメーカーの義務などについて定めた法律です(2001年(平成13年)施行)。
対象品目
対象品目は、以下の4つです。
- エアコン
- テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
これらは家庭用のものに限られます。業務用の製品は対象外です。
消費者が捨てる場合
消費者が対象4品目にあたる家電製品を捨てる場合、
- 販売店に引き取ってもらう
- 指定引取場所に持ち込む
- 許可業者に引き取ってもらう
という方法があります。
詳細については以下の記事に書いていますので、よろしくければ参考にしてみてください。
家電リサイクル法とは?対象品目の処分の仕方・リサイクル券などについて
小型家電リサイクル法(使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律)
この法律は主に、市町村または認定事業者が使用済小型家電を回収し、リサイクル事業者などに引き渡すことを定めた法律です(2012年(平成24年)施行)。
対象品目
主な対象品目は以下です。
- 電話機・ファックス
- 携帯電話・PHS
- ラジオ・テレビ
- デジタルカメラ、ビデオカメラ、DVDレコーダー
- デジタルオーディオプレーヤー、ステレオセット
- パソコン
- プリンター
- ディスプレイ
- 電子書籍端末
- 電動ミシン
- 電気グラインダー、電気ドリル
- 卓上計算機
- ヘルスメーター
- フィルムカメラ
- ジャー炊飯器、電子レンジ
- 扇風機、電気除湿機
- 電気アイロン、電気掃除機
- 電気こたつ、電気ストーブ
- ヘアドライヤー、電気かみそり
- 電気マッサージ器
- ランニングマシン
- 蛍光灯器具
- 電子時計及び電気時計
- 電子楽器及び電気楽器
- ゲーム機その他の電子玩具
家庭で使われるあらゆる電化製品が対象になっているといってもいいでしょう。
消費者が捨てる場合
小型家電リサイクル法では主に市町村が回収をすることになっていて、回収方法としては、
- ボックス回収(公共施設などに回収ボックスを設置)
- ステーション回収(ごみステーションに小型家電専用のコンテナなどを設置)
- イベント回収(イベント会場などで回収)
といった方法がとられています。
消費者は、上記のような小型家電を捨てる場合は、回収ボックスなどでの指定に従って分別し、適正にリサイクルがされるように努めることが必要です。
資源有効利用促進法(資源の有効な利用の促進に関する法律)
この法律は主に、対象品目となっている製品を一定数以上生産しているメーカーに対して、回収とリサイクルを求めている法律です(2001年(平成13年)施行)。
対象品目
この法律は、2003年の改正でパソコンとディスプレイが対象品目に追加されたことで「パソコンリサイクル法」とも呼ばれていましたが、対象品目はパソコン以外にも家電製品や自動車、ぱちんこ遊技機その他合わせて69品目あります。
詳細は経済産業省のサイトを参照してください。
家電製品については主に以下のものが対象です。
- パソコン
- ユニット型エアコン
- テレビ受像機
- 電子レンジ
- 衣類乾燥機
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- プリンター
- コードレスホン
- ファクシミリ
- 携帯電話
- テレビカメラ
- ヘッドホンステレオ
- 掃除機
- 電気カミソリ(電池式に限る)
- 電気歯ブラシ
- 非常用照明器具
- 血圧計
消費者が捨てる場合
この法律は、主に対象品目の製品を一定数以上生産しているメーカーについての義務を定めたものです。
ですから、対象品目の製品を捨てる場合はメーカーに引き取ってもらうことができます。詳しくは各メーカーのHPなどを参照してください。
ただ、メーカーに引き取ってもらうよりも、先に紹介した家電リサイクル法または小型家電リサイクル法の項目で紹介した方法で処分するほうが簡便な場合も多いかもしれません。
さいごに
以上が家電製品を処分する時に問題となる、3つの法律についての主な内容でした。
これらの法律はどちらかというとゴミを回収する自治体、製品を作るメーカー、販売する小売店などに対する規定が多く、消費者は製品をできるだけ長く使うことと、リサイクルに協力することといった程度の規定のみにとどまります。
いずれの法律も消費者に対する罰則はありませんが、資源が有効に利用されるようにリサイクルに協力しましょう。
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