日本国内で出版されたものは基本的に全て収集・保管しているといわれる国立国会図書館。
名前のとおり国会の立法活動を補佐することを目的とする図書館ですが、一方で満18歳以上の人(外国籍でもOK)に対するサービスも行っています。
国内の出版物全てを集めているというと、保管場所は大丈夫なのかと当事者でなくても心配になりますが、そのような事情もあり、現在は東京本館のほかに関西館もできています。
関西館は非来館型サービスを重視していますが、来館しても十分使えます。
国会図書館は、来館以外にもサービスがありますが、今回は実際に来館してみた感想などについて記したいと思います。
他の図書館と違うところ
国会図書館のサービスの共通点として、書籍・雑誌などの資料の貸し出しはできないということです。これが普通の図書館との大きな違いですね。
資料は基本的に館内での閲覧と複写、パソコンによる電子資料の閲覧が主なサービスです。
また、入館する前に利用者カードを発行してもらうか、一日利用カードを発行してもらう必要があります。入館する際はカバンなどはロッカーに入れて、持ち物はビニール袋入れる必要があります。ちなみにノートパソコンも持ち込み可能です。
持ち込むものが制限されているのは、資料を大事に保存していくために必要なことなんでしょうね。
来館してみた印象
それぞれを利用してみて感じたことを以下に書きます。
東京本館
東京本館を利用してみて感じたことは、利用者が結構多いということと、サービスが行き届いているということです。
利用者が結構多いとは感じますが、利用できるスペースが本館、新館とも1~4階に利用スペースがあり、トータルでかなり広いスペースと席があるので、利用者がそれなりに多くてもゆったりとした雰囲気を味わうことができます。
それと、職員の方が適度に配置されていて、わからないことは質問すれは、とても親切に説明してくださりますのでユーザビリティが高いといえます。
主な資料は東京のほうに保管されていることが多いという印象です。ですから、実際に資料を閲覧する場合は東京のほうが有利ですね。
関西館
関西館を利用してみて感じたことは、まず、建物が非常に斬新であるということです。そしてサービスが行き届いているということは東京本館と同じですが、利用者は東京本館に比べると多くはないということです。
建物については、国際コンペで選ばれたデザインを採用し、平成14年に完成したものですので比較的新しい建物です。建物の入り口から入管ゲートまでの下りの階段は別世界へ来たかのような気分にさせてくれます。
次に利用者の数ですが、あまり多くないというのは、やはり東京都比べ人口の少ない地域にあるということが一番の理由だと思います。
利用スペースは東京よりは広くはありませんが、1フロアーがかなり広いため、ゆったりとできます。
また机や椅子も高級感があり、ちょっぴりリッチな気分で過ごせます。
見逃せない食堂
図書館利用者の楽しみの一つが食堂ではないでしょうか。
うれしいことに東京本館と関西館ともに食堂が併設されています。
東京本館では6階、関西館では4階にあります。
いずれもセルフサービス方式です。学食のような感じですね。
メニューはカレーや丼もの、定食、麺類などがあります。
東京本館の食堂は500円台~7,8百円台、関西館の食堂ではなんとカレー(とサラダのセット)が350円、定食でも400円とか450円が中心で激安です。
どちらの食堂も席にゆとりがあるのでゆっくりとできます。
東京本館は食堂のほかに売店があり、お弁当やお菓子、飲み物なども売っています。関西館は自動販売機で飲み物、パンやカップヌードルが買えます。
周辺の環境
周辺の環境はそれぞれ大きな違いがあります。
東京本館
東京本館は東京都千代田区永田町にあり、国会議事堂のすぐそば、都会のど真ん中にあるというだけあって、アクセスは非常にいいといえます。
東京メトロの「永田町駅」か「国会議事堂前駅」から徒歩数分という便利な場所にあります。また、国会議事堂のすぐ近くということもあって、周辺の環境も非常によいといえます。
関西館
関西館は京都府相楽郡精華町というところで、JR学研都市線の「祝園駅」または近鉄京都線の「新祝園駅」からバスで10分程度、あるいは近鉄けいはんな線の「学研奈良登美ヶ丘駅」 からバスで15分程度のところにあり、都会からは少し離れた場所にあります。
自然が多い非常にのどかな雰囲気とはいえ、関西学術研究都市(学研都市)の一つですので周囲には研究機関もありますし、向かいには大きな商業施設やけいはんな記念公園もあって環境はよいです。
さいごに
以上、国立国会図書館の東京本館と関西館を利用した感想などについて書いてきました。
いずれの図書館も職員の方は親切ですし、蔵書はもちろん設備も充実していて非常に使いやすい図書館だと思います。
資料を閲覧しながら落ち着いた雰囲気で作業したいときには最適の場所といえますので、機会があれば利用されてみてください。