クロネコメール便が2015年3月で廃止され、個人ユーザーがこれまでのようにコンビニなどに持ち込んで、1通だけメール便を送るというようなことはできなくなりました。
クロネコメール便と似たようなサービスとして「クロネコDM便」が2015年4月よりスタートしているものの、こちらは法人や団体、個人事業主などを主な対象としていて予めヤマト運輸と契約することが必要です。
また、ヤマト運輸では「宅急便コンパクト」や「ネコポス」というサービスも開始されていますが、こちらも法人向けの性格が強いことに加え、料金もメール便とは程遠いものです。
そこで、クロネコメール便にかわるサービスとして注目されているのが、日本郵便がはじめている「クリックポスト」と「スマートレター」です。
この記事では、「クリックポスト」と「スマートレター」の比較と、ネットオークションなどで荷物を送る側、受け取る側として利用してきたブログ管理人がこれらを利用してみた感想などについて記したいと思います。
Contents
メール便との一番の違いは?
メール便と「クリックポスト」と「スマートレター」の違いで一番大きなものは、なんといってもA4厚さ1センチ以内の規格があるかないかということでしょう。
メール便には厚さ1センチ以内(82円)の規格がありましたが、「クリックポスト」と「スマートレター」にはそれがありません。
たとえ1センチ以内であっても、これらを利用する限り164円(クリックポストは2018年9月1日より、料金は185円(税込)になります。)ないしは180円になってしまうということですね。
その他、細かな違いはいろいろとありますが、これらは次の章から詳しく見ていくことにしますね。
比較は案外むずかしい!?
実は、クリックポストとスマートレターの比較は、さまざまなことが複雑に絡み合っていて単純に比較することはむずかしいのではないと感じています。
たとえば、信書を送る場合はクリックポスト(信書はNG)は選択肢から外れますし、スマートレターのA5サイズより少し大きめの規格を超えた時点でスマートレターは使えません。
また、クレジットカードがなければクリックポストは使えませんし、追跡サービスが必要ならスマートレターは適しません。
といったように、制約条件によって選択肢が自ずと決まる場合も多いからです。
このような状況ですが、以下の点を意識しつつ、クリックポストとスマートレターを比較していきたいと思います。
- 信書を送るかどうか
- A5(2センチ)またはA4(3センチ)サイズに収まるか
- クレジットカードがあるかどうか
- ラベル印刷できるかどうか
- 追跡サービスが必要かどうか
送るために必要なこと
まず、送るために必要なことについて比較していきます。
スマートレター
- 専用封筒の購入(販売は現在東京都内の郵便局やコンビニ)
- 封筒へ送るものを入れて、宛名を記載
- ポストか郵便窓口へ出す
スマートレターは封筒を買って中身をいれて宛名を書くだけですから、簡単にできますね。
封筒を自分で用意しなくていいというのも魅力です。
クリックポスト
- Yahoo! JAPAN ID の取得
- Yahoo!ウォレットの登録
- クリックポストのサイトであて先などを入力
- ヤフーウォレットで決済
- 宛名ラベル(PDFファイル)をダウンロードして印刷
- 宛名ラベルを荷物に貼り付け
- ポストか郵便窓口へ出す
こちらは、結構面倒な手続きが必要になりますね。1.~2.は初回に一度だけすればいいわけですが、3.以降は送るたびにする必要があります。
もっとも、スマートレターは封筒を窓口か通販で購入する必要があるのに対し、クリックポストはその必要がないのは利点です。
この点だけでも両者に結構大きな違いがありますよね。
その他の点
ではその他の点も比較してみましょう。
料金
- スマートレター・・・180円
- クリックポスト・・・・・164円(2018年9月1日より、料金は185円(税込)になります。)
クリックポストのほうが若干安いですが、スマートレターは専用封筒込みの料金ですから比較はむずかしいところです。
サイズ、重量制限
- スマートレター・・・25センチ × 17センチ × 厚さ2.0センチ以下、1kgまで
- クリックポスト・・・・・34センチ × 25センチ × 厚さ3.0センチ以下、1kgまで
スマートレターはA5サイズより少し大きめのサイズで厚さ2センチ以内、クリックポストはA4サイズより少し大きめのサイズで厚さ3センチ以内です。重さの制限はともに1kgまでです。
クリックポストのほうがサイズ的に余裕がありますが、その分重量オーバーにならないように注意する必要があります。
追跡サービス
- スマートレター・・・なし
- クリックポスト・・・・・あり
メール便でも魅力の一つであった追跡サービスですが、スマートレターには残念ながらありません。
配達日数・速達オプション
配達日数は、どちらも普通郵便と同程度のスピードと感じます。
速達オプションについては、どちらもありません。
着払いはできるか
どちらも料金前払いシステムのため、着払い発送はどちらもできません。
信書を送ることができるか
- スマートレター・・・できる
- クリックポスト・・・・・できない
スマートレターの一番の強みは信書を送ることができるかどうかということですね。
信書とは、
特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書
のことをいい、具体例は総務省のサイトや、郵便局のサイトに詳しく書かれています。
ユーザーが信書を送って郵便法に違反するリスクがあるということが、メール便廃止のきっかけとなったようですので、クリックポスト利用時にはこの点は気をつけましょう。
どちらが有利?
冒頭でも書きましたが、いろいろな条件がありますので一概にどちらが有利かということはいうことはむずかしいです。
しかし、管理人はネットオークションなどの発送で実際に両方使ってみて、クリックポストのほうが気に入っています。
理由は、やはり信書を送らない限り、クリックポストのほうが料金(2018年9月1日から185円(税込)になるので、それ以降はスマートレターのほうが安くなります。)とサイズ面で有利だからです。
たしかにクリックポストは、封筒などを自分で用意する必要がありますし、あて先入力やラベル印刷など発送までの手間は若干あります。
しかし、封筒を買いに行かなくてよいということを考えれば許容できる範囲です。
クリックポストは重量オーバーに注意!
ただ、サイズに余裕があるからといってクリックポストの許容サイズぎりぎりの雑誌などを送ろうとしたことがありましたが、重さを量ると余裕で重量オーバーしていました。
サイズばかりに気をとられがちですが、A4サイズより少し大きくて厚さ3センチですと、1kgを軽く超えることもよくありますので、注意が必要です。
信書を送る場合には定形外郵便も考える!
信書を送らなければいけないという場合は、クリックポストという選択肢はなくなります。
ただその場合、スマートレターで送ると即断はしないほうがいいかもしれません。
なぜなら、信書を送ることができるのは、定型郵便、定形外郵便、スマートレター、レターパックがあるからです(その他にもEMSや飛脚特定信書便などもありますが用途が違うため割愛)。
100g以内であれば、定形外郵便なら140円以下で送ることができます。その重さを超えると、スマートレターかレターパックが有利になります。
こういったように、信書を送る場合は他のサービスと比較すればよりやすく送れる場合もありますので、気をつけたほうがよさそうです。
さいごに
以上、スマートレターとクリックポストの比較と感想などについて述べてきました。
それぞれに一長一短はありますが、どういったものを送るかによって自ずと決まる場合もあれば、料金の安いほうを選択できるという場合もあると思います。
スマートレターについては、おそらく定形外郵便やレターパックなど、現在あるサービスの存在意義を失わせないようにとの配慮があってあのような規格になったのではないかと思います。
送る際は比較検討して、より有利で便利なものを選んでいきましょう。