日本郵便が2016年4月1日から「インターネット通販購入商品の郵便局窓口受取サービス」というものを開始します。
このサービスは、アマゾンや楽天市場などのインターネット通信販売サイト(通販サイト)で商品を購入した際に、ゆうパックで発送される商品の受取場所に提携先のコンビニだけでなく、郵便局窓口も指定して受け取ることができるというものです。
ネット通販が便利になり、コンビニで商品を受け取ることができる宅配サービスがある反面、同様に郵便局窓口を指定するというサービスはなかったため、今回それが追加されるということになります。
ということで、この新サービスについて説明していきたいと思います。
Contents
新サービスの概要
「インターネット通販購入商品の郵便局窓口受取サービス」の主な内容は以下です。
- 日本郵便と契約したEC業者のみ発送できる
- ゆうパックのみ
- 注文時に受取先郵便局(or提携コンビニ)を指定
- 受取先に到着するとEC業者からパスワードが通知される
- 通知されたパスワードを使用して受取先で荷物を受け取る
これらについて少し詳しく見ていきましょう。
日本郵便と契約したEC業者のみ発送できる
大きな特徴の一つとして、このサービスを使って発送できるのは、予め日本郵便と契約したインターネット通販業者(EC業者)のサイト(アマゾンや楽天市場など)から注文された商品だけということです。
ですから、ヤフオクなどのインターネットオークションの出品者やメルカリなどのフリマアプリなどの出品者は利用することはできないということですね。
ゆうパックのみ
後ほど説明する郵便局留めなどのサービスは、ゆうパックのみならず他の郵便サービスでも利用することができます。
しかし、この新しいサービスでは「ゆうパック」のみが対象になります。
注文時に受取先(郵便局か提携コンビニ)を指定
受取先としては、郵便局か提携コンビニ(コンビニエンスストア)を指定することができます。
郵便局については簡易郵便局を除く全国の郵便局(約2万店舗)が対象になります。
ちなみにコンビニは、
- ローソン(全国約1万1500店舗)
- ミニストップ(全国約2200店舗)
- ファミリーマート(全国約1万1700店舗)
が対象になっています。
ですから、4万5000以上の店舗が受取先の対象になるわけですね。
受取先に到着するとEC業者からパスワードが通知される
郵便局留めなどのサービスでは、郵便局に届いてもそのことが通知されることはありませんでしたが、この新サービスでは受取先に荷物が到着するとEC業者から注文者(ユーザー)にEメールが届く仕組みなっています。
そのメールにはパスワードが書かれています。
通知されたパスワードを使用して受取先で荷物を受け取る
Eメールで通知されたパスワードを受取先に知らせると、荷物を受け取ることができます。
このパスワードがあれば本人確認書類などは不要で、代理の人が受け取ることも簡単にできます。
以上が「インターネット通販購入商品の郵便局窓口受取サービス」の概要です。
メリットとデメリット
次に新サービスのメリットとデメリットについて考えていきます。
メリット
メリットとして考えられるのは以下の点です。
- 郵便局窓口でも受取OK
- 通知がくる
- 受取が容易
新サービスの最大の特徴である、コンビニ(ローソン、ミニストップ、ファミリーマート)以外の郵便局窓口でも受取可能ということですね。
コンビニはなくても郵便局はあるという地域や、職場などの近くに郵便局があるといった場合には便利ですね。
郵便局留めなどでは荷物が到着しても通知はありませんが、新サービスでは受取先に荷物が届くと通知のメールが来るという点も便利です。
また、受取の際には本人確認書類は不要で通知されたパスワードがあればOKなので受取は簡単にできます。
デメリット
デメリットとして考えられるのは以下の点です。
- 個人は発送できない
- ゆうパックのみ
- メールにアクセスできないと受取できない
まず、新サービスで発送できるのは提携EC業者のみと対象者が限定されていることですね。後に述べる郵便局留めなどは、誰でも利用することができるのに比べると非常に限定されます。
また、荷物の種類もゆうパックのみということで、こちらも限定されています。レターパックやその他郵便物では利用できないということですね。
そして、メールで通知されたパスワードを使って受け取ることができるのは便利な反面、パスワードを控えていなければ、メールにアクセスできない状態だと受け取ることができないといったこともありえます。
帰宅途中で受け取ろうと思っても、メールにアクセスできなければ受け取れないといったこともありえるかもしれません。
「郵便局留め」「郵便私書箱」などとの違いは?
ご存知の方も多いかもしれませんが、これまでも郵便局の窓口で荷物を受け取ることができないわけではありませんでした。
例えば、以下のような場合には、郵便局の窓口で荷物を受け取ることができます。
- 不在のため持ち帰られた郵便物を郵便局で受け取る場合
- 「郵便局留め」で発送した場合
- 郵便私書箱を利用する場合
これらは新サービスと違って、利用できるのがEC業者のみといったことはなく、基本的に誰でも利用できるサービスということが大きな違いです。
もっとも、上記3つにはそれぞれ以下のような制限があります。
1.の場合は、受け取ることが出来るのは、配達を担当している郵便局の窓口のみで郵便局の指定はできません。
2.の場合は、あて先に書かれた郵便局に荷物が到着した際に通知はされません。自分で「お問い合わせ番号」から調べるか、「お問い合わせ番号」がない場合は直接郵便局に問い合わせるなどすることが必要です。また、受け取る際には免許証などの本人確認書類が必要になります。
3.の場合は、ほぼ毎日郵便物が配達されるような状態で、6カ月以上の利用、滞りなく荷物を受け取ることができるといった条件があります。
さいごに
以上、新サービスについての説明と、「郵便局留め」「郵便私書箱」などとの違いについての説明でした。
郵便サービスが多様化しているため、複雑になっているともいえますが、サービスがよりきめ細かなものになっているため仕方がないのかもしれません。
便利なサービスといえますので2016年4月1日以降、利用できる通販サイトで購入される場合は、ぜひ利用してみてください。