日本で千円札(千円券)が発行されたのは昭和25年(1950年)で、今から66年ほど前から発行されている歴史のある紙幣になります。
図柄は最初発行されたものから3回変更されており、現在は野口英世が描かれたもののみが発行されています。
図柄が変更される前の旧千円札となった紙幣の価値は、現在のところどうなっているのでしょうか。
古銭を集めているご家族などがおられたりすると、旧千円札を目にすることがあるかもしれませんね。
そんな時にやはり気になるのが現在のどのくらいの価値があるかということではないでしょうか。
ということで、旧千円札の相場などについて調べてみました。
旧千円札は3種類
千円札は発行開始から3回図柄が変更されているため、旧千円札となったものには3種類あります。
一つ目は昭和25年(1950年)1月~昭和40年(1965年)1月まで発行された聖徳太子の千円札です。
二つ目は昭和38年(1963年)11月~昭和61年(1986年)1月まで発行された伊藤博文の千円札です。
三つ目は昭和59年(1984年)11月~平成19年(2007年)4月まで発行された夏目漱石の千円札です。
夏目漱石の千円札は、現在発行されている野口英世の千円札とよく似ているため、旧札という感じがあまりしませんね(笑)。
どのくらい価値がある?
現在の価値については、古銭買取業者さんなどの買取価格を参考にしてみるとよいでしょう。
買い取り価格は?
ということで、いくつかの古銭買取業者さんの旧千円札の買取について調べてみましたが・・・、いずれも旧千円札の買取そのものを受け付けてくれないというところばかりでした。
理由としては、
- 希少価値がない(市場にたくさん出回っている)
- 現在有効なお札である
ということのようです。
これらは、 聖徳太子、伊藤博文、夏目漱石のいずれのお札についてもそのような状況のようです。
聖徳太子や伊藤博文の千円札であってもまだまだ希少価値はないと判断されるようです。
聖徳太子の千円札なら希少価値があるのではないかと素人考えでは思ってしまったのですが、そうではないのですね。
現在も使える?
二つ目の理由「現在有効なお札である」という意味ですが、実は日本銀行では、聖徳太子や伊藤博文の千円札も現在も有効な紙幣として扱っています。
ですから、法令上は今現在お財布に入っているお金と同じように使うことができ、お店などは旧千円札であることを理由に受け取りを拒否することはできません。
しかし、店員の方などは必ずしも旧千円札を知らないこともありますので、実際の現場ではスムーズに使うことはできないかもしれません。
また、銀行などの金融機関に持っていけば野口英世の千円札などと交換してもらえますし、旧千円札で預金することもできます。
プレミア価格になるものは?
しかし、旧千円札に限らずお札一般に共通するプレミアがつくものがあります。
そういった特徴があると、プレミアが付く可能性は十分にあります。
それは
- 連続した番号(連番)
- ゾロ目
- AA-AやA-Aなど
- 印刷ミスがある
といった特徴があるものです。
お札にアルファベットや数字が印刷されていますが、その並びが珍しいものや印刷ミス(ミスプリ)などがあるものにプレミアがつく傾向にあります。
AA-AやA-Aというのは、お札の数字の両隣に記載されているアルファベットがAAやAというものです。
これに加え、ピン札(美品)や未使用品ならより高価になります。
もっとも、このような特徴があったとしても、旧千円札は取り扱わないとしている業者さんもありますので、買取を依頼する際は確認したほうがいいでしょう。
こういった特徴があった場合、どのくらいプレミアが付くのかというと、古銭買取業者さんなどの買取価格でいえば、額面プラス数割増し程度というのが多いようです。
もちろん例外もありますので、実際に査定していただいたほうがいいと思いますが、残念ながら額面の何倍もの値段がつくということはあまりないようです。
ヤフオクなどで売るという方法も
買取業者さんが買い取ってくれないなら、ヤフオクなどのオークションサイトで欲しがっている人に売るという方法もあります。
実は、ヤフオクなどでは業者さんが買取していない旧千円札でも額面以上の値段で売れることが多々あります。
オークファンというサイトでは、ヤフオクや楽天オークション、モバオクなど各オークションサイトの過去の落札価格を調べることが出来るのですが、それを使って調べていただければお分かりいただけると思います。
無料会員(一般会員)の場合は過去6カ月間、有料会員(プレミアム会員)の場合は過去10年間の落札価格を調べることが出来ます。
やはり高く落札される傾向にあるのは、上で説明したようにプレミア価格になる傾向にある特徴を持ったものです。
しかし、そうでなくても聖徳太子や伊藤博文の旧札などは、ピン札であれば落札価格が高くなる傾向にあるようです。
このようにヤフオクなどで売れば、業者さんに買い取ってもらうよりも有利な価格で売れる可能性がありますので、選択肢の一つとしてみてもいいでしょう。
追記:メルカリでの現金出品問題が報道されましたが、ヤフオクではコレクション性の高い貨幣の売買についてはこれまで通り認められるようですので、現時点で上記記事内容についての影響はないものと考えます。
さいごに
以上が旧千円札の買い取り相場や価値などについて説明でした。
聖徳太子の千円札でもあまり希少価値はないとされているのは以外ですが、市場の判断というのはそういうものなのですね。
ただ、旧千円札は今後新たに製造されるということはないわけですから、よい状態で保管しておいて(インフレなどにならない限り)損になるということは考えにくいでしょう。
引き続き保管するか、手放すか、ご自身にあわせて検討してみてくださいね。
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