刑事法関連 法律

ストーカー規制法で禁止される行為と対応措置

投稿日:2015年12月7日 更新日:



ストーカー被害が社会問題として取り上げられるようになったのは1990年代ころからです。

それを受けてストーカー規制法(ストーカー行為規制法)(正式名:「ストーカー行為等の規制等に関する法律」)が2000年に制定されました。

しかし、ストーカー行為がエスカレートして深刻な被害が発せしてしまうこともあります。

そういったことを防ぐためにも、早めの段階で手を打っておくことが求められます。

そのためにも、ストーカー規制法がどういった行為を対象にしているのかについて理解しておくことは大切です。

この記事では、ストーカー規制法ではどういった行為が禁止されているのか、被害にあった場合どういった措置がとられるのかなどについてわかりやすく説明していきます。

 

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ストーカーとは?

そもそも、ストーカーとはどういった意味なのでしょうか。

ストーカー規制法では、ストーカー行為を以下のように定義されています。

同一の者に対し、つきまとい等を反復してすること

つきまとい等」というのは、以下の行為のことです。

第二条  この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。

一  つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること。
二  その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
三  面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
四  著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
五  電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールを送信すること。
六  汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
七  その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
八  その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置くこと。

出典:ストーカー行為等の規制等に関する法律 第2条

 

ストーカーというのは、同一人物に対して、以上のような行為を繰り返し行う人のことをいうわけですね。

」~「」については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限られます。

ストーカー規制法で禁止される行為

各行為について詳しく

では、一~八のストーカー行為について詳しくみていきましょう。

一~四の行為

「一」~「四」については、先ほど書きましたように、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限りますので、その点は注意が必要です。

一 つきまとい、待ち伏せなど

第一号で規定されているのは、

  • つきまとい
  • 待ち伏せ
  • 進路に立ちふさがる
  • 住居等の付近で見張る
  • 住居等に押しかける

 

の5つです。

つきまとい待ち伏せ進路に立ちふさがる行為については、場所は問いませんが、見張る行為は住居等の付近、押しかける行為は住居等へ、ということになっています。

住居等というのは、条文にもあるとおり、

住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所

ということになります。

二 監視行為の告知など

第二号では、被害者の行動を監視していると思わせるような事を告げたり、それがわかるような状態にすることです。

例えば、「○月○日、誰々さんと△△で食事をしていましたね」とか、被害者が帰宅時に「おかえり」とメールや電話をすることなどです。

こういったことを告げるのは、口頭だけでなくメールや電話、ファックス、手紙など手段は限定されないと考えられています。

三  面会、交際要求など

第三号は、面会や交際、その他応じる義務のないことを要求することです。

面会や交際の他には、自分の子どもを出産することや贈り物を受け取ることなどを要求することなどがあげられます。

こちらの行為も、口頭だけでなく、メール、電話、手紙など手段は問われません。

四  著しく粗野又は乱暴な言動

第四号は、著しく粗野または乱暴な言動をすることです。

著しく粗野」な言動というのは、場所柄をわきまえずに著しくぶしつけな言動のことで、「乱暴な言動」は、荒々しい言動のことを意味します。

もっとも、刑法の暴行・脅迫罪に当たらない程度のものになります。

 

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五~八の行為

では次に「五」~「八」の行為についてです。

「五」~「八」については、「一」~「四」のような限定はありません。

五 無言電話・メール送信など

第五号は、無言電話拒否されているの、連続して電話、ファックス、メール送信をすると言う行為です。

電話、ファックス、メール送信に関しては、被害者が拒否する意思を伝え、それを加害者が認識している必要があります。

なお、「連続して」というのは、短時間の間に何度も繰り返し行うことが想定されていて、一日に1回を何日くり返しても、「連続して」とはいえないと考えられています。

ストーカー規制法で禁止される行為1

六 汚物等の送付など

第六号は、汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物送付または知り得る状態に置くことです。

汚物というのは、汚い物であればよくゴミやその他汚いと思われる物一切を含むと考えられています。

著しく不快又は嫌悪の情を催させる」というのは、一般の人がそのような感情を抱くと思われるもので、特定の人しかそのような感情を持たないというものは含まれません。

七 名誉を害する事項の告知など

第七号は、被害者の名誉を害する事項を告げまたはその知り得る状態に置くことです。

名誉を害する事項」というのは、被害者の社会的評価を害したり、名誉感情を害する事柄のことです。

八 性的羞恥心を害する事項の告知など

第八号は、

  • 性的羞恥心を害する事項を告げまたはその知り得る状態に置くこと
  • 性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付しまたはその知り得る状態に置くこと

です。

性的羞恥心を害する」とは、性的に恥ずかしいと思う気持ちを起こさせて精神の平穏を乱させるものと考えられています。

 

以上が具体的なストーカー行為にあたるものでした。

次に、ストーカー行為にあった場合に、どのような対処がなされるのかについて説明します。

ストーカー行為への対抗措置

ストーカー行為にあった場合、被害者が警察へ申し出ることによって

警告や禁止命令

を発してもらうことができます。

禁止命令は、警告が発せられても従わずに反復する場合に発せられます。

また、被害者がストーカー「被害を自ら防止するための援助を受けたい」と申し出ることで、

警察本部長等の援助

を受けることができます。

もし、被害にあわれている場合は、警察へ相談してみてください。

罰則

上で説明したストーカー行為をした場合の罰則は、

六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金

です。

ちなみに、この罪は、親告罪(しんこくざい)といって被害者が捜査機関等に申し出て処罰してほしいという意思を示さない限り罰することはできないものになっています。

また、禁止命令等に違反した場合は、

一年以下の懲役又は百万円以下の罰金

などになります。

さいごに

以上、ストーカー行為の内容と、それへの対処、罰則についてでした。

法律でいうところの「ストーカー行為」にはそれなりに要件が絞られていることから、それに当てはまらなくても不快に思われる行為もあることでしょう。

ストーカー被害は深刻になるケースも多いことから、可能であれば証拠を集めながら早い段階で警察や法律の専門家などへ相談されることをおすすめします。

<関連記事>

ネットストーカー(ネトスト)行為は犯罪か?対処方法とは

インターネット上に特有のストーカーについてはこの記事で詳しく書いていますので、よろしければ参考にしてくださいね。

 

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