民事法関連 法律

民法改正はいつから有効?敷金関係を例に解説

投稿日:2015年3月7日 更新日:



法律が改正されると私たち国民にも何かしらの影響があることが予想されます。

特に、民法という市民生活上のルールがたくさん定められている法律の大改正ともなれば、大きなインパクトがありそうです。

この記事では

  • 民法が改正されるために必要な手続き
  • 改正法はいつから効力を生じるか
  • 効力が生じた際に注意すべき点

について説明していきます。

民法が改正されるために必要な手続き

「民法が改正されるらしい」ということは以前からいわれてきていますが、実際に改正されるのはいつになるのでしょうか。

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今回の改正は民法の中の債権分野の改正が大きいため債権法改正ともいわれたりもしますが、実際に改正されるとさまざまなところで影響がでてくることになりそうです。

企業であれば契約書の見直しが必要になってくるかもしれませんし、一般の人であれば時効や敷金のことなどで影響を受けるかもしれません。また法律実務家はもちろん、民法を受験科目とする資格試験の受験生などは改正法を勉強する必要があります。

ちなみに民法改正の内容全般については以下の記事を参考にしてくださいね。
民法改正を簡単にわかりやすく!いつから何が変わる?

いつ改正されるの?

上のような影響があるときに気になるのが、実際に「民法が改正されるのはいつなのか?」ということです。正確に言うと、法律として効力が生じるのはいつなのか、ということです。

法律として効力が生じてはじめて、私たち国民は法律が改正されたことの影響を受けます。

法律改正のニュース報道があると、確実に決まったかのように思ってしまいますが、実はそうでないこともあるのです。

民法改正については賛成・反対の意見が飛び交い議論をよんだ点はいくつかありますが、現時点では民法の改正案がほぼ固まり、いよいよ現実味を帯びてきています。

結論的には、2018年をめどにしているという報道がありましたが、はっきりと決まっているわけではないようです。

追記1:2015年3月31日に民法改正案が国会へ提出されました。

追記2:安保関連法案の審議が優先されることとなったため、民法改正案の今国会(第189回国会、2015年1月26日~9月27日)での成立は見送られることとなりました。

追記3:2017年(平成29年)5月26日、民法改正案は参議院で可決、成立しました。

法律改正手続きの流れ

法律が改正されて効力が生じるまでの手続きは以下のような流れになります。

  1. 法律案の作成
  2. 内閣法制局のおける審査
  3. 国会提出のための閣議決定
  4. 国会へ提出
  5. 国会のおける審議
  6. 国会(衆参両議院)で可決(法律として成立)
  7. 法律の公布
  8. 法律の施行

 

日本では、法律案の多くが内閣から提出され、今回の民法改正案も内閣提出のものとなりますので、以上の流れになります。

2017年5月26日に、民法改正案は国会で可決、成立しましたので「6.国会(衆参両議院)で可決(法律として成立)」まできました。

民法改正いつから?

改正法はいつから効力を生じるか

上の6.の段階、つまり国会で可決されれば、法律として成立することにはなりますが、実はその段階ではまだ法律として効力は生じないのです。

公布と施行が必要

法律が効力を有するには法律として成立した後、公布(こうふ)されて施行(しこう)される必要があります。

公布とは、成立した法律の内容を一般に周知させることをいい、具体的には官報(かんぽう)に掲載されることをいいます。

そして公布された後に施行されてはじめて法律として効力が生じます。

施行とは、法律を発効させることをいいます。要するに効力を生じさせることですね。

これがいつかは、改正法の附則(付随的なことを定めたもの)で決められます。

この施行日はまだ具体的には決まっておらず、報道によると2020年をメドになされるになる見通しということです。

ということは、実際に民法の改正がわれわれ国民に効力を生じるのは、現段階では2020年以降になるというのが有力な見方になります。

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効力が生じた際に注意すべき点

仮に2020年に民法改正案が成立して施行されたとましょう。

しかしここで一つ注意が必要です。それは、新しく施行されて効力を生じた法律の効力は過去にさかのぼらないということです。

新法の効力はさかのぼらない!

実際に民法が改正されて施行された場合、その時点から改正された民法が有効であるのはこれまで説明してきました。

ですから、施行日以降に行われた法律行為などについては、新しい法律が適用されます。

しかし、その施行日以前になされた過去の行為についてまで当然にその新しい法律が適用されるわけではないのです。

これを法律の効力がさかのぼらないという意味で、法律不遡及の原則といいます。

なぜこういった原則があるのかというと、後になってできた法律が過去の行為に適用されると、混乱が生じたり、当事者が不利益を被ったりしてしまう恐れがあるからです。

敷金はもどってくる?

今回の民法改正で新たに規定が追加されることになる敷金関係を例にして見ましょう。

施行日以前に部屋を借りるなど賃貸借契約を結んで大家さんに敷金を入れていたとします。

そして施行日以後に部屋を出て行くことになった場合、改正された法律が適用されるでしょうか。

新しい法律が適用されるかどうかは、契約などの法律行為が行われた時を基準にして判断されます。

ですから、契約行為などをしたのが施行前であれば、改正前の法律が適用されることになります。

敷金契約を結ぶのは、部屋を借りるために賃貸借契約を結んだ時期とほぼ同じ時期だと思います。正確には、敷金契約が成立するのは敷金を賃貸人に差し入れた時とされます。

このときが施行日以前であれば、改正された新しい民法の規定は適用されないことになります。

では、敷金は返ってこないのではないか、と心配になるかもしれません。

しかし、新たに追加される敷金関係の規定は国土交通省のガイドラインや過去の判例に沿った内容で、現在の民法下であっても実務上は同じような運用がされています。

したがって、施行日前か後かで敷金の返還の有無や返還される額そのものの結論が大きく変わることはないと思われます。ただ敷金関係のトラブルは多いので、ごまかされないように個別にきちんと確認はしたほうがよさそうです。

敷金関係の改正については以下の記事により詳しく書いています。
敷金は返金されて当然?礼金は?民法改正で変わること

さいごに

以上、法律改正の手続きと効力の発生時期、改正法の効力はさかのぼらないという点についてみてきました。

法律を変えるというのは、さまざまな手続きが必要になってくるということ、改正前と後とで当事者に不利益などが生じないように配慮がされているということがお分かりいただけたと思います。

国民に適用される法律というルールを変えることは大変なことですね。

実際に改正法が効力を生じるのは施行後ですから、施行日に注意しながら民法改正への準備をしていただければと思います。

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