この度、私は日商簿記3級試験に合格しました。

この記事では私が簿記3級合格までにした勉強方法や気がついたことなどについて紹介します。

勉強開始以前の私は簿記の学習は全くしたことがなく、簿記に関する本も読んだことがありませんでしたので、全くのゼロからの勉強でした。

私の場合、簿記学習に使える時間を1日1~2時間程度、直前期は多くても5時間程度までと想定して勉強を開始しました。

学習方法など

 

簿記試験に統一試験というものがあるということを知り、2か月半くらい前から学習を始めることにしました。

簿記試験については、独学の場合は書籍だけの勉強よりも講義を受けたほうがよいとの話を事前に聞きました。そこで、どこかの予備校等の有料講座を受けようかと思って探しました。

youtubeでも簿記関係の動画が多数あったので調べていたところ、youtubeでふくしままさゆきさんという方の動画講義を見つけました。

調べていくと、ふくしまさんのyoutube動画を中心に学習して合格された方が多数存在するということ、講師はアカデミック出身ということで、受験テクニックに走るのではなく理論を大切にして理解することに重点を置かれているということなどを知り、こちらの動画で勉強することにしました。

ふくしまさんの簿記3級の一連の動画(再生リスト)を4周(25の動画を最初から最後まで通しで4回視聴すること)すれば合格レベルの知識が身に付くとのことでしたので、その通りにすることを決めて勉強を開始しました(結果的には5周しました)。

使用した教材

使用した教材は、上記ふくしまさんの簿記3級の動画をまとめられた一連の動画(再生リスト)と、市販のテキストと本試験問題集です。

最も活用した教材は、ふくしままさゆきさんの「ゼロからの簿記3級講座」の25個のyoutube動画の再生リストです。

https://youtube.com/playlist?list=PLJr7GuMySVGIH9rO-PhAgSGM64NBHmaUo&si=lR896Z-qaisDkChj

テキストは以下を使いました。

 

書籍のテキストは、手薄な分野をさらっと一読し、購入者特典のWeb上で受験できるネット試験形式の模擬試験を1回分解きました。

問題集は以下を使いました。

本試験問題集は、直前期に証ひょう対策、第2問対策の部分を中心に解き、あとは購入者特典のネット試験形式の模擬試験を10回分解きました。

使用した電卓

電卓は、リーズナブルな価格のものを選びました。カシオのMW-12GTです。簿記試験で使用している方も多いようです。


ソーラー式ですが、光がなくても作動できるように電池も内蔵されています。

学習期間中に感じたこと

開始から直前期まで

簿記3級の動画講義は、私が学習した時点で25の動画があり、2周目までは1日1~2個の動画を目安にしました。

動画によっては、十数分~2時間近い動画まであります。ですから、日によって30分程度で終わることもあれば、2時間以上かかることもありましたが、1日に動画1~2個のペースで視聴していきました。

1周目・理解度50~60%

1周目というのは、25個の動画を最初から最後まですべて視聴するという意味です。

一通り視聴した感想は、簿記3級の勉強範囲の大まかな全体像がイメージできたように思いました。各動画にある問題も解きながら、可能な限り理解していくことに努めました。

大まかには理解できたように自分では感じていたものの、最後のほうの精算表の話がさっぱりわかりませんでした。

精算表が理解できないのは、各勘定科目が資産、負債、純資産、費用、収益のどれに当たるのかがきっちりと理解できていないからと講義中の説明にありましたので、そこを意識することにしました。

2周目・理解度70~80%

最初の動画に戻ってきて2周目では、わかったつもりになっていた基本的なことがわかっていなかったという点がいくつかも見つかりました。より理解を深められていると手ごたえを感じながら進めていくことができました。

1周目であいまいな理解だった、各勘定科目が資産、負債、純資産、費用、収益のどれに当たるのかを意識しながら説明を聴き、問題を解きながらも確認していく癖をつけました。

3周目・理解度80~90%

3周目は1日に動画2~3個のペースで視聴していきました。

だいたい理解できていると自分では思っていても、動画を視聴すると何かしら新たな発見や、理解が不十分であることに気づくことが多々ありました。

問題に正解することができる状態でも、背景にある理論が深く理解していない論点もありましたので、やはり繰り返し視聴することは大切だと感じました。

動画や説明欄で出題される問題はほぼ正解することができるようになったものの、ケアレスミスをすることが時々あることに気がつきました。動画中の問題を自信をもって満点を取るまではもう一歩というところでした。

4周目・理解度90~95%

4周目は1日に動画3~4個のペースで視聴していきました。

4周目に入ると動画中の問題については、ケアレスミスを除いてはほぼ全ての問題を正解することができる状態になっていました。問題も覚えているものも多くなっていました。

問題のみの回は、間違えた問題をメモして次回はその問題のみ解くようにしました。ただ単に問題を解けるだけでなく、より深く理解できるようになったという点では4回目も意味がありました。

4周目の途中ではじめて市販の問題集を解き始めました。この時点では試験制度についてあまり詳しくわかっておらず、色々と調べた結果、本試験はネット試験を受験することに決めました。

この時点で初めて本試験と同形式の模擬試験を受けました。市販テキストの購入者特典で無料で受験可能なネット試験と同形式の模擬試験です。

結果はもう一歩というところで合格点に届きませんでした。問題の形式と計算機を使った具体的な数字の計算に慣れていなかったことが原因でした。内容的にも若干難しく感じました。

直前期(試験10日前~)

動画を5周すると高得点で合格する人が多いということが動画で言及されていたので、本試験までにもう1周することにしました。1日に3~4個ずつ動画を視聴しました。

5回目ともなるとさすがにほとんどは聞き覚えのあることばかりです。しかし、はじめて知った、はじめて聞いたと感じる内容がたまにあって驚くこともありました。

理解が深くないために聞いていても頭に入っていなかったのでしょう。ですので、やはり繰り返し視聴することは大事なのだと改めて思いました。

10回の模擬試験

予め購入していた本試験問題集を見たところ、購入者特典としてネット試験と同形式の模擬試験が10回分Web上で受けることが出来ましたので、これを利用することにしました。

10回分あるので、本試験10日前から1回分ずつ解いていくことにし、本試験前日に10回目を終えるという計画にしました。

先ほど記したようにテキストの購入者特典にも模擬試験が1回分ありましたので、本試験までに合計11回分模擬試験を受けたことになります。

模擬試験第1~5回

ネット試験対応の模擬試験は、自分のパソコンで本試験とかなり似た形式の問題を解くことができるので非常に有益です。

初めて解いた第1回目は、合格点を上回っていたので嬉しく思ったのですが、2回目と3回目は50点台、60点台と合格点を下回ったので、気分的に少し落ち込みました。

4回目は70点台で合格点は上回ったものの、5回目は69点で合格点を下回りました。

試験問題を解いて気がついたのは、例えばゼロを一つ多く打ち込んで桁を間違えるとか、正解がわかっているのにタブを選び間違えているなどの単純なケアレスミスが毎回3問前後あることです。

仮に1問3点だとすると、合計で9点も点数を落としていることになり、とてももったいないことをしていました。

模擬試験第6~10回

6回目にして初めて80点台をとることができました。

7回目、8回目も80点台、9回目で70点台になったものの、10回目はケアレスミス2問を除く他の問題は正解して90点台をとることができました。

ケアレスミスをしてしまうという自分の傾向は、全ての回を通して2~3問程度ありました。毎回気をつけながら解いたつもりでも劇的に修正できたとは思えませんでした。

何かしらの対策が必要であったように思いますが、それが不十分なまま本試験を迎えることになりました。

問題を解く順番

簿記3級の試験は、第1問、第2問、第3問がありますが、私が解く順番は以下のようにしていました。

  1. 第1問
  2. 第2問(2)を一瞥(穴埋めですぐ解けそうなら解く)
  3. 第3問
  4. 第2問(1)
  5. 第2問(2)(まだ解いていない場合解く)
  6. 第1問の見直し

模擬試験全体を通して第1問については内容的にわからない問題はほぼないという状態であるものの、桁を間違えたりタブを選び間違えるなどの単純なミスが毎回ありました。

第3問も内容的にはわかりますが、計算ミスや細かな見落としをすることが毎回あるという状態でした。

また第2問は、語句の穴埋め問題であれば何とか正解できますが、勘定記入に関してはほとんど対策しておらず、何となく埋めることが出来て正解できたということもあれば、ほとんど不正解だったということもあり、最後まで手ごたえがわかりませんでした。

本試験当日

前日に解いた模擬試験が高得点でだったので、気持ち的に余裕をもって本試験に臨むことができました。

本試験は初めて受けるので、ネットで受験方法や会場の様子などを下調べして、当日慌てることのないように準備しました。

私が受験する会場では筆記具(ボールペン)は貸与でしたので、必須の持ち物は身分証明書と電卓のみでした。15分ほど前に到着して説明を受け、少し早めに受験することができました。

唯一心配なのがケアレスミスでした。模擬試験ではとんでもないケアレスミスをよくしていましたので、これをなるべくなくさないといけないと思いながら本試験に臨みました。

当日は予約した時間の15分前に会場に到着し、受付で試験の種類、開始時間、氏名を言って説明を受け、必要なもの以外はロッカーに入れた後、準備出来次第受験可能と言われました。

予定時間より数分程度早いですが、受験する旨伝えてパソコンのある部屋へ案内してもらいました。

パソコンの操作感は模擬試験とは若干の違いはあるものの、直前は受けていた模擬試験と近い感覚で問題を解くことができました。本試験は模擬試験より素直な問題が多く、計算も複雑ではないとの印象を受けました。

試験中、貸与されていたボールペンのインクがなくなり書けなくなるというハプニングがありました。机にある呼び出しボタンを押してスタッフの方に来てもらってボールペンを交換してもらいました。

内容的に難しいと感じる問題はほとんどなく、計算が少し面倒と思ったのが2問ほどあったくらいで、模擬試験よりも易しく感じ、時間も余り気味でした。

ケアレスミスさえなければ余裕をもって合格点は取れるだろうという感触でした。

試験時間が終わり、結果が表示されると・・・、合格点ギリギリでした。「合格」の文字の嬉しさと、思ったより低い点数だったショックが入り混じった複雑な感情を抱きながら、はじめにもらった紙の記載事項に従って結果の「印刷」操作をし、部屋を出て受付の方に点数が書かれた紙をもらって会場を後にしました。

問題を持ち帰ることはできないので答え合わせはできませんが、点数から推測すると第1問と第3問で合計5問ほどミスしたようです。第1問と第3問で内容的にわからなかった問題はなかったので、何かしらのケアレスミスか勘違いがあったのだと思います。

第2問に関しては手ごたえはなく、すべて埋めたがよくわからなかったという状態でした。結果、半分以上不正解でした笑。

合格はできたので、とりあえずは良かったと思いますが、弱点の克服はできないまま試験を終えてしまったような心残りを感じました。

注意すべきこと

受験勉強を終えて、これから勉強を開始される方が特に注意すべきと思ったことを書きます。

予約は早めに

私はネット試験で受験しましたが、ネット試験を受ける場合は試験の予約・申し込みはできるかぎり早めにしたほうがいいと思います。

なぜなら、希望する会場や日時で受験できる人数は限りがあるため、試験日が近づくにつれて埋まってしまう可能性が高いからです。また、早めに受験日を決めることで計画が立てやすくなり、効率的な勉強がしやすくなるからです。

勉強は自己流でやらない

初学者で何もわからない状態の時は、講師に言われたことをそのまま実行することが大切で自己流にアレンジしないほうがいいと思います。

例えば、私の場合はふくしまさんのyoutubeチャンネルにある再生リストの動画で勉強すると決めましたので、そこで指示された通りの勉強をするということです。

4回通して視聴して、直前期は模擬試験を10回程度受けると言われたのなら、他の教材には手を出さずにその通りにするということです。

複数の教材や書籍にも手を広げると、頭の処理が分散してしまってかえって試験合格に必要な基本的な部分の理解がおろそかになってしまうことがあります。

一連の動画は繰り返して視聴すればするほど、新たな発見がありました。完全に理解していると思っている項目でも、視聴しなおしてみると基本的なところの理解が足りていなかったことに気がつくことが多々ありました。

同じ教材を繰り返すことで理解を含めていくという方法が効率的な勉強だと改めて感じました。

試験形式にあった対策を

現時点で簿記3級試験は、統一試験という紙の試験と、ネット試験というパソコンでの試験の2種類があります。

どちらで受験するかを決めたら、直前期はそれにあった試験対策をすべきです。つまり紙の試験を受けるなら、模擬試験は紙の試験で受け、ネット試験を受けるなら、ネット試験形式のパソコンで行われる模擬試験を受けるということです。

避けたいのはネット試験を受けるにもかかわらず、紙の試験で訓練してきて本試験で初めてパソコンで問題を解くとか、紙の試験を受けるにもかかわらず、パソコンで模擬試験を受けてきて、本試験で初めて紙の試験問題を解くといったことです。

実際にその形式で問題を解くことで、メモの仕方やパソコンでのタブの切り替え方、間違った場合の訂正方法など、事前にシミュレーションができます。試験の形式に慣れていない状態で試験に臨むと、勝手がわからずに時間をロスしてしまうことにもなりかねません。

おわりに

以上、簿記3級試験の勉強方法と勉強を通して気がついたことなどについて書きました。

人によって有益な教材や勉強方法は違うかもしれませんが、試験を受ける目的を明確にして、それにあった勉強方法を選択して学習することが大切です。

簿記3級試験の一合格者の体験記として参考にしていただけたら幸いです。

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