選挙権(せんきょけん)を得られる年齢がこれまで20歳以上だったのが、18歳以上に引き下げられることになりました。
これにより、それまで選挙権のなかった18~19歳のおよそ240万人の人たちも選挙権を持つようになります。
今後の選挙はどのように様変わりしていくのでしょうか。
18歳選挙権とは?
今回の18歳選挙権は、公職選挙法(こうしょくせんきょほう)という法律が改正されたことによって実現することになりました。
選挙権というのは、政治に参加することができる権利の一つで、主に選挙において投票できる権利のことです。
公職選挙法というのは、国会議員や地方公共団体の議会の議員や長を選ぶ選挙について定めた法律になります。
これらの議員さんを選ぶ選挙について18歳以上の方が選挙権を持つことになります。
どんな選挙が対象になるの?
対象となる選挙を具体的にいうと
<国会議員を選ぶ選挙>
- 衆議院議員選挙
- 参議院議員選挙
<地方公共団体の議会の議員を選ぶ選挙>
- 都道府県議会議員選挙
- 市町村議会議員選挙
<地方公共団体の長を選ぶ選挙>
- 都道府県知事選挙
- 市町村長選挙
いつから?
(追記:2016年7月10日の参議院選挙で18歳選挙権による投票が全国的にスタートしました(全国初は福岡県うきは市長選)。)
では、実際に18歳の方が選挙権を行使(投票)できるのはいつからでしょうか。
今回の公職選挙法の改正案が国会を通過して成立しましたが、その内容が実際に現実化するのは、公布(こうふ)されて施行(しこう)されてからになります。
施行されるのは2016年になる見通しです。
ですから、実際に18歳の方が投票できるはじめの国政選挙は2016年夏の参議院選挙になると予測できます。
もっとも、補欠選挙や地方公共団体の長の辞職による選挙、また可能性は低いですが、衆議院の解散総選挙(AKBの選抜総選挙ではありません)など、2016年夏の参議院選挙以前に行われる可能性もないことはありません。
その他の年齢に変更はある?
選挙権が18歳以上になったということで、他にも年齢が引き下げられるのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、今回の改正で変わるのは、あくまで上記の選挙についての年齢だけです。
例えば、以下のような年齢に変わりはありませんので気をつけてくださいね。
- 被選挙権
衆議院議員(25歳以上)
参議院議員(30歳以上)
都道府県議会議員(25歳以上)
都道府県知事(30歳以上)
市町村議会議員(25歳以上)
市町村長(25歳以上) - 成人年齢・成年(20歳以上)
- 未成年者飲酒禁止法(20歳未満禁止)
- 未成年者喫煙禁止法(20歳未満禁止)
- 少年法(「少年」は20歳未満、「成人」は20歳以上)
- 憲法改正国民投票(2018年6月までは20歳以上、それ以降は18歳以上)
被選挙権(ひせんきょけん)というのは、立候補できる権利のことですね。
今のところ、これらの年齢に変わりはありませんが、民法や少年法の成人年齢の引き下げなどについては、以前から議論がされていますので、今回の18歳選挙権をきっかけにして成人年齢の引き下げなどもさらに検討がされていく可能性はあります。
さいごに
今回の改正によって18~19歳が新たに有権者と加わる人数は、全体の有権者数の割合からすると、2.2%ほどで、若者の投票率は低い傾向にあることも考慮に入れると、今後の選挙に与える影響は小さいという見方もあります。
確かにそれに近いかもしれませんが、今後の社会を担っていくのは若い人たちですから、これをきっかけにして、多くの若い方が政治に関心をもつようになればいいですね。
ネットで情報を収集するスキルに長けている若者は、小手先の世論誘導は通用しないので案外手ごわいかもしれません。