「金持ち父さん貧乏父さん」(ロバート・キヨサキ著)、普段は本を読まない方でも、一度は耳にしたことのあるタイトルではないでしょうか。
ベストセラーであり、ロングセラーでもあります。日本語に翻訳されて出版されたのが、2000年。
その後、改訂版が2013年に出てなお売れ続けているすごい本です。
ベストセラーの本でも、一時期だけ売り上げを伸ばし、その後は消えていくという本がほとんどの中、この本は珍しく売れ続けている本です。
中途半端な内容であれば、一時的に本が売れても、長続きするということはありません。
長く売れ続けるということは、何かしら訴えかけるものがあったり、時代を超える普遍的な内容が書かれている可能性が高いと考えられます。
管理人も数年前に読み、少なからず刺激を受けました。
そんな「金持ち父さん貧乏父さん」を改めて読み直してみた感想と、巷で語られる疑問点などについて述べていきたいと思います。
Contents
「金持ち父さん貧乏父さん」シリーズとは
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改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本)
実は「金持ち父さん貧乏父さん」という本は、これに派生した個別のテーマ(MLM、不動産、投資など)が設定された本が何冊か出版され、シリーズ化されています。
もちろん、基本となる考え方は、「金持ち父さん貧乏父さん」で語られていますので、まずはこの本をきちんと理解することから始まります。
ただ、もう一つ重要な概念として、「キャッシュフロー・クワドラント」という概念があり、シリーズ第2弾の書籍として「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」という本が出版されています。
この本についての記事は以下をご覧ください。
「金持ち父さんのキャッシュフロークワドラント」の感想と疑問点について
また、バックエンド的商品として、「キャッシュフロー」というボードゲームや、オーディオ教材などの商品もありましたが、現在公式サイトでの販売はされていないようです。
「金持ち父さん貧乏父さん」の感想
管理人がこの本を読んだのは社会人になってからですが、このように考えに触れたことはなかったので、目からウロコで、とても新鮮に感じました。
学生のころに読んでおけばよかったと少し後悔したくらいです。
お金持ちになるためには、お金のために働いてはいけない、お金を自分のために働かせる、そんなことはできるのかとはじめは思いましたが、読み進んでいくうちに、そのようにしているお金持ちは確かに存在するなと思いました。
しかし、感心すると同時に、頭を使わずに言われたことだけをこなして仕事をするだけではお金持ちにはなれないという難しさを感じました。
この本では、雇われることでもらえる給料から、請求書の支払いなどをくり返すことを「ラットレース」と表現されています。まさにそのような状態にある人はたくさんいて、当たっている面も多々あると感じます。
しかし、ややもすると、雇われて地道に働くサラリーマンを一段低く見ている、との誤解も生みやすいのではないかと思ったことも事実です。
「金持ち父さん貧乏父さん」の疑問点
「金持ち父さん貧乏父さん」という本についてのネット上のレビューは、肯定的なものが多いものが一方で、否定的意見も一定数あるというのも事実です。
そこで、否定的意見と思われる代表的なものをピックアップしてみました。
まじめに働く人のことをどう思っているの?
先ほども触れたように、この本は「ラットレース」から脱出することを勧めていることから、場合によってはまじめに働くとバカを見るとの印象を受ける方もおられるようです。
しかし、良い悪いは別として、家賃や利子を払うために働き、給料の大部分はその支払いのために消えていくという人がいる一方で、家賃や利子を不労所得として得ている人がいるという状況は事実として正しいのではないでしょうか。
世の中は雇用されてまじめに働く人がいなければ成り立ちません。
しかし、資本主義の世の中は、そのような仕組みで動いているということは事実で、資本主義を前提とする社会でお金を稼ぎたいというのであれば、その仕組みを理解して、お金が入ってくるカラクリを説明することは何ら問題ではないと思います。
全員がそのような考えになれば社会はどうなるの?
次に、この本で書かれているように資産を持って、お金を自分のために働かせるという考えを、社会の構成員全員がもってしまったらどうなるのかという疑問です。
確かに、雇用されて働く人というのは「他人のために働く人」です。
他人のために働くことをやめる人が多くなると、雇用されて働く人がいなくなり、社会が成り立たなくなるのではないかという懸念がなされてもおかしくはありません。
しかし、このような疑問に対しては、一応以下のような回答ができるのではないかと考えています。
「この内容をどれだけ声高に叫んでも、サラリーマンのほとんどが起業家や投資家になったりするということはない。世の中はそんなものだから大丈夫。」
現在は状況が変化しているのでは?
また、この本が書かれた当時のアメリカと、現在の日本の状況では、時代も国も違うので当てはまらないのではないかという疑問です。
確かに、「金持ち父さん貧乏父さん」が日本で出版されたのが2000年、原書である「Rich Dad,Poor Dad」が出版されたのは1997年であり、15年以上経過しています。
しかも日本とアメリカという国も違うとなれば、日本で生活する人々にとってはあまり参考にできないのではないかと思われる人が出てきてもおかしくはありません。
「金持ち父さん貧乏父さん」シリーズの不動産投資やMLMなどについての細かな点については、確かに時代に合わない点が出てきているかもしれません。
しかし、法人化して節税できることや、ビジネスオーナーになったり、収益不動産を取得して不労所得を得ることができるという基本的な考え方は、今なお通用する考え方といえるのではないでしょうか。
このような資本主義にとっていわば普遍的な考え方が書かれているからこそ、今なお売れ続けているのだと思います。
さいごに
以上、「金持ち父さん貧乏父さん」についての感想や疑問点などについて述べてきました。
多くの人が興味を示し、読まれ続けている本だけあって、一部で批判はあるものの、非常に興味深い内容を含んでいると思います。
少なくとも、知っておいて損はない内容だと思いますので、読まれたことのない方は一読されてみてはいかがでしょうか。
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