法律

マイナンバー反対派は拒否できる?想定される不都合な点

投稿日:2015年6月7日 更新日:



マイナンバー制度によって、国民一人ひとりに12桁の番号が割り当てられます。

しかし、中には番号によって管理されることに対する抵抗を持つ方もおられます。

そのような方の中から、マイナンバー制度に反対の意思をしめす意味で、マイナンバーの通知(通知カード)の受け取りを拒否すればいいのではないかという意見を耳にすることがあります。

そのような方法でマイナンバー制度を拒否できるのでしょうか。あるいは別の方法はあるのでしょうか。この記事では、それらの可能性について考えたいと思います。

なお、管理人はマイナンバー制度に反対の意見を有するわけではなく、あくまで客観的・中立的な立場で書いていきたいと思います。

 

Sponsored Links

拒否できるの?

マイナンバーによって自分の情報を管理されたくないという方の場合、「番号を使いたくない」というだけではなく、「番号自体発行してほしくない」ということがあるかもしれませんので、二つに分けてみていきましょう。

番号の発行を拒否できる?

マイナンバーはを2015年(平成27年)10月から、「通知カード」が書留郵便によって送られていきますが、その前段階の番号の発行を拒否することができるでしょうか。

なお、マイナンバー制度のスケジュールについては以下の記事を参考にしてください。
マイナンバー制度はいつからスタート?民間にも適用拡大予定

番号の発行を拒否することについては、できないものと考えられます。

なぜなら、マイナンバー(個人番号)は、地方公共団体システム機構が市町村長の求めに応じて、住民票コードを変換して生成(番号法8条2項2号)されるものであって、本人が拒否したりするといったことは想定されていないと考えられるからです。

ですから、マイナンバーの生成はやめてほしいと市町村長や地方公共団体システム機構などに言っても、とりあってもらえない可能性が高いと思われます。

受け取りを拒否

次は、一時期話題になった「通知カード」の受け取り拒否です。

先ほども触れたとおり、2015年(平成27年)10月から、「通知カード」が簡易書留郵便によって送られてきますが、それを受け取らないというものです。

簡易書留郵便を「受取拒絶」とした場合や、不在で所定の期間が経過した場合は、送り主である市町村長へ返送されます。

この場合、すでにマイナンバーは生成(発行)されていますので、通知カードを受け取らなかったことによってその番号がなくなるということはないと考えられます。

想定される不都合な点

この場合、本人はマイナンバーを知らない状態になります。

しかし、2016年(平成28年)1月からは、税務・社会保障・災害対策分野の行政手続きでマイナンバーが必要になってきます。

その時に番号を知らないとどういったことが想定されるでしょうか。

例えば、企業などに勤めている場合、正社員はもちろんパート・アルバイトであっても社会保障手続きの対象になる場合は、勤務先からマイナンバーを知らせるように求められます。

 

Sponsored Links

書類不備になる!?

この場合に番号を知らないと、勤務先の担当者は大変困ることになります。

なぜなら、税務署などへ提出する書類で必須項目となるマイナンバー欄が記載することができないからです。

必須項目が記載されていないと、原則として書類不備ということになるので提出することができません。

このような状態の場合、国税庁の FAQ によると、

法定調書作成などに際し、個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番号を記載しないで書類を提出せず、個人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。

それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。

経過等の記録がなければ、個人番号の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが判別できません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録をお願いします。

出展:http://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQ/04kokuzeikankei.htm#a2-10

となっていて、勤務先の担当者は「マイナンバーの提供を求めたが受けれなかった」旨の経過などの記録をしなければならないことになります。

これは担当者に少なからず負担を与えることになります。

企業は従業員のマイナンバーを把握して記載する義務があるところ、その義務が果たせないということになります。

これは勤務先企業に対して、義務違反のリスクを生じさせます。

勤務先に対して少なからず負担が生じてしまいますし、多くの従業員はマイナンバーを提供すると予想できる中、一人だけマイナンバーを提供しないことに対する周りからのプレッシャーを感じることになるでしょう。

仮に、上記FAQ にあるような流れで税務関係の書類が受理されたとしても、今後もずっと同じような扱いが許されるかどうかはわかりません。

このように、色々とややこしい事態が生じてしまうわけですね。

さいごに

以上を総合すると、マイナンバー制度を拒否したくても、法律上個人が番号の発行(生成)を止めることはできませんし、手続きのたびに書類不備で受け付けてもらえないかもしれないということになりかねず、非常に煩わしい事態になることが予想されます。

実際、制度がスタートしてみなければわからない点もありますが、マイナンバーの記載が法律で義務付けられることになる以上、番号を使わないでいるということは非常に難しいことだと考えられます。

 

Sponsored Links

-法律

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

敷金は返金されて当然?礼金は?民法改正で変わること

進学や就職、転職などを機に、今住んでいるアパート・マンションから引っ越す際に気になることの一つが敷金(しききん)。 そもそも返金されるのか、返金されるとしても額はいくらなのか・・・ 入居の際に一通り説 …

煽られた時の対処法!煽り運転の心理とは

車やバイクを運転していてイヤな思いをすることの一つが煽られることです。 煽り運転は、それ自体が危険なことはもちろん、煽られている側に恐怖や心理的プレッシャーを与え、平常心で運転できないようにしてしまう …

苗字(名字)が変更になる場合・変更できる場合一覧

苗字(名字・氏・姓)が変わる場合というと、結婚によるものというイメージが強いかもしれません。 しかし、それ以外にも離婚や養子縁組、その他の場合にも苗字が変わる(変えられる)場合があります。 そこでこの …

削除依頼の方法!掲示板・ブログ・SNSの書き込みコメントについて

今や誰もが気軽にネット上に情報発信ができる時代です。 ブログ、SNS、掲示板などといったサービスには、個人が匿名で書き込んだり、記事を公開することができます。 そういった環境の中で、特定の個人や企業に …

通販でクーリングオフは不可!返品する方法は?

ネット通販やテレビ通販などの通信販売やインターネットオークションなどでの個人売買など、直接対面することなく商品やサービスを購入する機会が増えていると思います。 直接商品を手にとって見ることなく購入した …

法律の専門職学位(法務博士 J.D.)をもつ管理人が、新しい法律や興味のある法令、その他気になる話題やDIY情報などの記事を書いています。