日本で一番豪華と思われる高速バス、ドリームスリーパーに乗ってきましたので、その様子についてレポートしたいと思います。
関東バスと両備バスの共同運行するドリームスリーパーは、大阪⇔東京間と、広島・福山⇔東京間が運行されていますが、今回は東京から大阪へ向けて乗車しました。
このバスは、1億円かけて作られた日本初の完全個室のバスです。
以前乗車したJR高速バスのドリームルリエ号との対比も意識しながら紹介していきたいと思います。
Contents
乗り場・待合室について
ドリームスリーパーに乗るにはネットか電話で予約をする必要があります。当日は所定の乗り場へ行き、乗車票を乗り場で提示して乗ることになります。
座席の紹介の前に、まずは乗り場の環境について紹介します。
東京は池袋
東京の乗り場は池袋駅の近くにあるバス乗り場で「池袋駅西口7番のりば」というところです。
最初、池袋駅西口「7番出口」かと思いましたが、そうではなく、西口にある東京芸術劇場前のバス乗り場の7番ということです。
結果的に駅の7番出口が近かったので大きくは迷いませんでした(笑)。
乗り場に行ってみると、待合室の看板がありました。他社名が書いてありますが、ドリームスリーパーのサイトにも同じ案内があるので利用できるようです。
場所は東武アネックスビルの3階で、乗り場から歩いてすぐのところのレストラン街が入っているビルになります。
同じ階にトイレがあり、中は自動販売機やベンチ、テレビ、案内表示があり、まずまずの環境です。
また、女性専用のスペース、ベンチもあります。
大阪はなんばと門真
大阪の乗り場は、なんばOCAT(オーキャット)にあるバス乗り場と門真車庫というところです。
なんばの方は色々なバス会社が乗り入れるバス乗り場です。ビルの中にあって、乗り場と待合室が一体になったよう形でベンチやトイレがあり、周辺にはコンビニをはじめ、お店もいくつかあります。
門真車庫の方は、ドリームスリーパー専用の待合室があります。中にはソファーがありトイレもあります。
バス出発時刻の少し前くらいから利用できるそうですが、早めに行く場合は連絡を入れておくほうがよいでしょう。
シートの状況
このバスが特徴的なのは、土足厳禁ということです。
乗務員さんが袋を用意してくれていますので、バスのステップを二段上がったところで靴を脱いで袋に入れてバスに乗り込みます。
自分の靴を持って自分の席(個室)へ向かいます。
各席は壁と扉で区切られています。引き戸のドアを開けて自分の部屋に入ります。
シートの倒れ具合
このシートはゼログラビティシートというもので、背もたれ角度を40度、座席角度を30度、フットレストを水平にできます。
イメージ的には腰がある程度曲がった状態で、チルト機能によってそのまま上向きになるという感じです。
感覚的にはドリームルリエ号のほうがフラットに近いように感じました。
シートを倒した直後は、もう少しフラットでもいいと感じたのが正直なところですが、眠りにつくと違和感はほとんどありません。
個人的な素人考えなので確かなことは言えませんが、安全性を考えてあえて身体を曲げた状態を保っているのかなとも思いました。フラットな状態で寝ていますと、衝突したときにシートベルトの効果が十分発揮されないかもしれませんので。
電動リクライニング
このシートで特筆すべきなのは、リクライニングやチルト、フットレストなどの操作が電動ということです。
シート横にボタンがあり、とても高級感があります。シートが電動式の高速バスは珍しいと思います。
手動だと不便というわけでは決してないのですが、電動式だとやはり高級感が違いますね。スイッチや木目調のパネルの質感もいいです。
シートベルトは3点式
バスのシートベルトは腰のところを固定する2点式のものが多いですが、こちらは乗用車と同じような3点式でした。より安全性は高まっていると思います。
騒音・振動について
騒音、振動に関しては大型バスの場合、どのバスでも大差はないと考えています。今回乗ったドリームスリーパーの席は、一番後ろの右側でした。
さすがにエンジンに一番近い場所だけあって、エンジン音や振動はそれなりにありました。
しかし気になって仕方がないというレベルではありませんし、音に関しては耳栓がありますので耳栓をすれば大幅に騒音はカットできます。
大型高速バスの場合は、どの席であっても多少なりともエンジン音やタイヤの走行音などの騒音や振動はあるものなので、ある程度は仕方がないと思います。
装備について
個室内の主な装備は以下です。
- USB電源(ケーブル有)
- AC電源
- 無料WiFi
- イオン発生機
- 音楽チャンネル&ヘッドフォン
- 調光照明
- テーブル
- 荷物棚
- ごみ箱
AC電源のほかにUSB電源がついています。
しかもスマホやタブレット等が充電できるように、アンドロイド用、アイフォン用対応のケーブルが両方置かれているのはうれしい配慮です。
イオン発生機(プラズマクラスター)は各部屋一つずつあり、防臭、除菌ができてきれいな空気を保てます。オン・オフだけでなく風量も調整できます。
音楽チャンネルは、4つあってリラクゼーション系の音が流れています。眠れないときや、バスの騒音が気になるときに有効です。
座席の上には荷物棚もあり、ちょっとした荷物が置けます。
小さいですがごみ箱も設置してあったのには驚きました。
アメニティグッズ
アメニティグッズも非常に充実しています。
- おしぼり
- アイマスク
- サージカルマスク
- ヘッドフォンカバー
- 耳栓
- 歯ブラシ&歯磨き粉
- スリッパ
これらは全てドリームスリーパーのロゴが入ったオリジナルパッケージに入っています。
ドリームルリエ号の記事では、バスに乗る際に用意した方がいいグッズとして耳栓とアイマスクを紹介しました。
その二つともアメニティ含まれているのはさすがです。まるでホテルのような充実ぶりですね。
そして座席横には冷えたドリームスリーパーのロゴが入ったミネラルウォーターも置かれていて至れり尽くせりです。
トイレはウォシュレット付き
トイレはバスの真ん中くらいの位置にあって、ウォシュレット付きです。
トイレが設置されているバスには何度か乗ったことはありますが、ウォシュレットが付いているのは初めて見ました。これは快適です。
パウダールーム
車内一番後ろの真ん中はパウダールームになっています。
水道が利用できるので、アメニティの歯ブラシで歯磨きもできます。
横に折り畳み式の椅子が設置されていますので、座ることもできます。
サービスエリアでの休憩
予定ではサービスエリアでの休憩は1回となっていました。
ドリームルリエ号では休憩時には電気の点灯及び車内放送がありましたが、ドリームスリーパーではどちらもありませんでした。熟睡している人への配慮だと思います。
個人的にはそのほうがよかったです。
今回はサービスエリアに到着した際に一度降りました。降りる際に乗務員さんが発車時刻を教えてくれて、番号札をくれます。
結局サービスエリアでの休憩はもう1度あったようですが、次の時は降りずに車内にいました。
全体的な感想
JRバスのドリームルリエ号は良くも悪くも大企業が提供する豪華なサービスという感じがしたのに対し、ドリームスリーパーは、お客のニーズを徹底的に考えて現場に近い感覚で作りこんだサービスという感じがしました。
数字で表すと…
個人的な感覚での評価ですが、格安高速バスを一晩乗った場合の疲労感を10とすると、ドリームルリエ号のアドバンスクラスは3.5~4、プレシャスクラスは2.5~3と以前の記事で書きました。
その基準でドリームスリーパーに乗った疲労感を表すと、2~2.5です。
正直なところシートのリクライニング角度はドリームルリエ号のプレシャスクラスの方が個人的には好きです。
しかし、サービスエリア休憩時の照明の点灯や車内放送がないため、ゆっくり眠り続けることができたこともあって、ドリームルリエ号よりも疲労感は少なく感じました。
また、充実した装備とアメニティグッズ、乗務員さんのきめ細かな配慮などを総合すると全体での満足感はかなり高いです。目的地到着の放送が流れると残念に思えるくらい快適でした。
東京大阪間の高速バスの料金としてはおそらく日本一高いと思いますが、その分、装備やアメニティ、その他を含めたサービス全体の質も日本一と思います。
前の方の席がいい!?
今回乗車したのは一番後ろの席でした。意見は分かれると思いますが、前の方の座席の方が騒音や振動は若干少なくなると思いますので、個人的には前の方の席がいいかなと思います。
もっとも、後ろの方が落ち着くということもあるかもしれませんし、位置的に後ろが好きという方なら後ろの席でいいと思います。
さいごに
夜行高速バスは目的地の到着するまでに疲労がたまるというイメージがありますが、ドリームスリーパーはそれを覆すバスといっていいでしょう。
移動時間がワクワクする楽しい時間に変わると思います。
快適なので「あんまり早く着かないで」とすら思えるほどでした。
料金は高めですが、それも十分納得できるサービスだと思います。機会があればまた乗ってみたいと思います。