東京-大阪間を結ぶ豪華な高速夜行バス、JR高速バスのドリームルリエ号に先日乗車してきました。

このバスは東京発と大阪発があり、それぞれ1日1便のみの運行で、アドバンスクラス(Advance class)とプレシャスクラス(Precious class)の2種類のシートがあります。

往きはアドバンスクラス、帰りはプレシャスクラスと乗車しました。往きの便に乗って翌日の早朝に到着し、日中の用事を済ませ、その日の夜に帰りのバスに乗るというスケジュールで往復しました。現地にいる日を含めその前後の日も日中は最大限時間を取ることが可能なのが夜行バスで移動する最大のメリットです。

運賃が安いというイメージに加え、疲れる、眠れないというイメージをどこまで払拭することができているのか、実際の体験をもとに感想などまとめてみました。

この記事ではまず往きに乗ったアドバンスクラスについて紹介します。

 

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待合室について

座席を紹介する前に乗車前に利用する待合室について触れておきます。

比較的豪華なバスに乗るからには出発前に過ごす待ち時間から気分を盛り上げたいものです。そこで重要な役割を果たすのが待合室です。

最近では高速バスに乗る乗客のための待合室にも力を入れるバス会社も増えてきています。待合室にはセルフサービスの飲み物を用意しているところや、巨大オフィスビルの1階部分をきれいに整備して待合室として使っているところもあったりします。また飛行機に乗る時のようにチェックインカウンターを設けて空港のような仕組みを導入しているところもあります。

ドリームルリエ号に乗る場合の待合室は東京、大阪ともJR高速バスが発着する便全般と共通の待合室となります。上記のような待合室とまではいかないまでも、東京大阪の待合室はともに良好な環境といえます。

東京の待合室

東京は東京駅のバスターミナルと新宿のバスタ新宿に発着します。

今回は東京駅の方を利用しましたのでそちらの様子について紹介します。

東京駅のJR高速バスのりば

 

東京駅の待合室の八重洲南口付近の便利な場所にあります。

中にはトイレがあり、周辺には喫茶店を始め飲食店やお土産店などお店もたくさんあります。バスが発着する時間帯は、待合室そのものは込み合っていて人が溢れていることが多いですが、回転率は高いので少し待てば座れる状況にあると思います。

ここから歩いて数分ほどの場所にある、他社のバスが発着する鍛冶屋橋バス駐車場と比べると混み具合は緩やかです。

大阪の待合室

大阪駅のJR高速バスのりば

大阪の待合室は、JR大阪駅に直結するノースゲートビルディングの1階部分にあります。

東京の待合室に比べるとやや狭いものの、待合室の外にはバスの乗り場が1~8番まで一直線に並んでいて、それに沿って椅子が百席くらいありますのでそこを利用することもできます。待合室の外といっても、完全に屋根で覆われていますので暴風雨であっても雨に濡れることはありません。

待合室の中には小さいながらトイレもあります。隣にコンビニがあり、ビルの中に入れば大きめのトイレもありますし、お店もいくつかあります。

という感じで、待合室周辺の環境は良好です。

バスに乗るには

バスはだいたい出発時刻の10分前に到着しますので、乗り場を確かめて乗り場へ行きます。

待合室周辺に電光掲示板がありますので、それに時間と乗り場が表示されているはずです。

チェックイン方式ではなく、事前に予約した際の乗車票を運転手さんに提示する形になります。

Webで予約した場合は、スマホ上で表示させた画面を提示してもOKです。

アドバンスクラスのシートの状況

ではアドバンスクラスの座席の状況について書いていきます。

アドバンスクラスは進行方向に向いて右側が1列左側が2列で、合計3列の配置になっています。

 

乗車した席は、ちょうどバスの前と後ろの真ん中くらいの位置にあり、二つの席がくっついている席の窓側でした。

当初は右側1列の独立したシートや一番前の席(プレシャスクラスのすぐ後ろの席)に乗りたかったのですが、予約の段階では埋まっていたので仕方なくこのシートを選びました。

 

ところが、実際に乗ってみると、一番前の3席は空席で、右側の1列シートも所々空いていて、後ろの方も空席がいくつかあるようでした。キャンセルが多発したのでしょうか、私が予約する段階では2席しか空いていなかったのですが・・・。

空席が点在していましたが、私が座った席の前後と隣の席は乗客がおられ、前の方は出発直後から到着直前までしっかりとフルにシートを倒してくださっていたので、よりリアルな情報をお伝えできると思います(笑)。

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隣との仕切り

右側1列のシートは、通路との仕切りには仕切り板とカーテンがありますが、左側の窓側と通路側の2列席はカーテンがあるのは通路側のみです。

しかし、窓側と通路側は仕切り板のおかげで、座っていれば隣の方の上半身は見えません。隣の方の足下が少し見えるくらいですので、プライバシーは保てます。

 

ちなみに、2列席の窓側の乗客が外へ出るには通路側の席をまたぐ必要がありますので、隣の方に声を掛けざるを得なくなり、少し気を使います。通路側の乗客はこれを想定しておく必要があります。これが2列席の最大の難点といえるかもしれません。

シートの倒れ具合

フルにシートを倒すとフラットまでは倒れませんが、結構な角度まで倒すことができます。

正確には最大148度まで倒すことができます。チルト機能もあり、背もたれの角度に応じて座っている部分も動いてより快適な状態に倒れるということですね。

夜行バスで気を使うことの一つが、シートを倒す時です。後ろの人に迷惑になっていないかと気を使うところです。

アドバンスクラスの場合は、自分がシートを倒していない状態で前の人がシートをフルに倒したとすると、全席との間にカーテンが垂れ下がっていますが、結構な角度まで倒れるため、目の前に前席の先端がきます。

この場合はそれなりに圧迫感があり、足元に荷物を置いていると、何かを取り出すときには苦労します。

もっとも、圧迫感を感じるのはあくまで自分がシートを倒していない状態の時です。同じように自分もシートを倒すとかなりスペース的にゆったりとしていることに気が付きます。

シートはフルに倒した状態でもフラットとまではいきません。しかし、ゆっくり眠るには快適な角度までは倒すことができます。

シート幅は約46.5センチで、一般的な大型バスの4列シートよりも少しゆったりめといった感じです。

格安高速バスであれば、シートを倒す場合は、トラブル防止のために後ろの方に声を掛けるようにアナウンスされることが多いですが、ドリームルリエ号ではそれはありませんでした。

なんとなく感じたことですが、アドバンスクラスでもシートは自由にフルに倒せるという暗黙の了解があるような空気を感じました。もちろん、後ろの方に声を掛けた方がよりよいことに違いはありませんが。

ちなみに他社のバスでは消灯後、一律にシートを倒すようにアナウンスしている便もあり、こういった方法もよいアイデアだと思います。

装備

装備に関しては公式サイトに詳しく説明がされていますので、そちらに譲ることにしますが、主な装備としては、

  • WiFi
  • iPad mini
  • フレキシブルライト(読書灯)
  • 空気清浄機付きエアコン
  • コンセント
  • フットレスト
  • ドリンクホルダー
  • スリッパ
  • 毛布
  • 共用トイレ

特徴的なのはipad miniが全席に備えられていて、雑誌や動画コンテンツを見ることができます。出発後30分程度で消灯になりましたので、それほど長時間使うことはありませんでしたが、私はテレビのニュース番組を少し観ました。スマホで観るよりも快適です。

消灯になったとしても、仕切り板やカーテンで仕切られているため、光が他の席の人には届かないのでスマホやタブレットを見ることは可能です。

またフレキシブルライト(読書灯)がありますので、本を読むこともできます。

WiFiについては、1回60分、1日最大5回までという制限があります。とはいえ、5時間も使えれば十分ですね。

個人的に嬉しい装備は空気清浄機付きエアコンです。喉が弱い管理人は、排気ガスはなるべく吸いたくありません。

高速バスは多くの場合、車内はたいていディーゼルの排気ガスのニオイがします。格安の高速バスの多くは、乗っている間中すっと排気ガスのニオイがしていますが、ドリームルリエ号は空気清浄機があるため、そのニオイは大幅に低減されていました。

その他、コンセントフットレストスリッパ毛布といった定番の装備ももちろんあります。

ちなみに最初に乗った時に座席に置かれている黒い巾着袋の中にはスリッパとカナル型イヤホンが入っています。これらは持ち帰ることができます。

共用トイレはバスの後方に一つ様式のものがあります。ウオシュレット付きではありませんが、トイレがあるだけで安心できます。

振動・騒音

大型バスはエンジンが後ろにありますので、後ろに行くほどエンジン音や振動が大きくなります。アドバンスクラスはプレシャスクラスよりも後ろにありますので、プレシャスクラスに比べると少し劣りますが、それほど気にはなりません。

体感的には一般的な大型観光バス並みのものと思います。

より静かな環境を望む方は、耳栓をされるとよいでしょう。耳栓がなければ、アメニティのカナル型イヤホンを付けるだけでも少し雑音が低減されます。

サービスエリアでの休憩について

乗車していて気になったのは、サービスエリアに停車するときの電気の点灯です。

出発後、30分くらいで消灯し、車内が真っ暗になり、それから約1.5時間後くらいに停車して点灯です。ようやく眠りにつけたころに起こされるという夜行バスあるあるの状態になってしまいました。

ルリエ号ではサービスエリアの停車は2回でしたが、ずっと眠るつもりだったのでサービスエリアに到着する度に起きてしまったのは少し残念に思いました。

サービスエリアを利用しようとしている乗客へ知らせるためや、安全面や健康面などの配慮があってあえてそういった対応になっているのだと思いますが、ずっと眠るつもりの場合はアイマスクと耳栓が必要かもしれません。

 

全体的な感想

格安の夜行バスではリクライニングは事実上ほとんどできず、サービスエリアでの停車が3回ほどあってその度に起きてしまうので、基本的にあまりよく眠ることはできません。

しかし、ドリームルリエ号のアドバンスクラスではそういうことはなく、基本的にはよく眠ることはできる設計がされていると思います。

数字で表すと

今回乗車した個人的な体験で勝手に数字で表現させていただくと、東京大阪間を格安高速夜行バス4列シートで乗車した場合の疲労感が10だとすると、ルリエ号のアドバンスクラスの場合は3.5~4くらいに感じました。

大幅に疲労は少なくなっていると思います。ただ、サービスエリアでの停車時に目が覚めることなく熟睡できていれば、もっと疲労感は少なかったと思います。アイマスクは持っていなかったのが残念でした。

とはいえ、格安バスよりも高い料金を払って乗るだけの価値はあると感じています。

可能なら右側1列席を

今回は左側の2列席の窓側で十分くつろげましたが、一人で乗る場合は右側の1列席のほうをおすすめします。外へ出るときなど隣の人への気遣いをしなくて済むからです。

一人で乗る場合で一列席かつ一番前、つまりプレシャスクラスのすぐ後ろの席(前の人のリクライニングの影響を受けない)であればもっと満足度は高くなると思います。予約の際に空いていれば1列席や前の席を狙うことをおすすめします。

しかし、そこが埋まっていても乗る価値は十分にありますよ!

おすすめグッズ

準備した方がよいと思うおすすめグッズはアイマスクと耳栓です。車内は多少なりともエンジン音やタイヤの回転する音などがします。

耳栓をすると雑音はかなり軽減されますので、熟睡しやすくなります。ただ、車内放送も聞こえにくくなるので、その点は注意が必要になります。

アイマスクは、社外の街頭などの光が入ってきたときや、急な室内灯の点灯でびっくりしないためには有効です。

さいごに

以上がアドバンスクラスについてのレポートでした。

総じて満足しています。料金に見合った価値はあると感じます。ゆったりとくつろぐことができますし、少しリッチな気分を味わうことができます。

普通運賃は10,000円〜12,500円ですが、事前購入の割引があると8,500円〜11,500円です。新幹線よりも2~3割安い料金になりますね。乗車時間帯さえ合えば検討されてみてはいかがでしょうか。

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