法律 自転車関連

自転車保険が義務化された地域とその内容について

投稿日:2016年7月23日 更新日:



日常生活における「足」として多くの人が利用している自転車。

大人から子どもまで気軽に乗ることができて便利な反面、それなりにスピードも出て一歩間違えれば非常に危険な乗り物にもなってしまいます。

近年、自転車の事故でも重大な結果に結びついたり、莫大な損害賠償費用を請求されたりといったケースが報道され、自転車事故の危険性などが知られるようになってきました。

何も保険に入っていなければ、高額な賠償費用を払うことができないかもしれません。そこで自転車事故を起こした際に、被害者への賠償を確実なものとするために、自転車保険への加入を条例で義務付ける動きが広がりつつあります。

この記事では、その自転車保険について義務化されている地域と、義務化の中身について説明していきます。

 

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義務化されている地域は?

現在自転車の保険加入が義務付けられているのは、兵庫県全域と大阪府全域です。

また、平成28年10月1日より滋賀県が同様の条例を施行する予定になっていますので、施行日以降は滋賀県全域も対象なります。

今後も同じような条例が他の自治体でも制定されて、自転車の保険加入義務化の動きは広まっていく可能性はあるでしょう。

自転車保険義務化された地域

 

義務化の内容について

次に自転車保険の義務化の内容について詳しく見ていきます。

もしかすると、「次に新しい自転車を購入する時からでいいのでは?」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそうではありません。

義務化の具体的な中身については、以下の3つの項目に分けてそれぞれ説明していきます。

  • 対象者
  • 保険の内容
  • 保険の種類

 

対象者

自転車の保険に加入する義務がある人は、大阪府内または兵庫県内で自転車を利用する人全てです。

条例では、具体的に以下が規定されています。

  • 自転車利用者
  • 未成年者の保護者
  • 事業者(兵庫県のみ)

 

これらについて説明します。

自転車利用者

大阪府内または兵庫県内で自転車を利用する人全てに保険加入義務があります。

他府県に住民票があるとか、条例施行前に購入した自転車であるなどといった事情は、一切関係ありません

つまり、お住いの地域や、新車、中古車、現在所有している自転車にかかわらず大阪府と兵庫県で自転車に乗る場合は、保険に加入する義務があります。

未成年者の保護者

未成年者の保護者は、監護する未成年者が大阪府内または兵庫県内で自転車に乗る場合、保険に加入している状態にする義務があります。

ざっくり言えば、お子さんが大阪府内または兵庫県内で自転車に乗る場合は、親御さんはお子さんを自転車保険に加入させる義務があるということです。

事業者(兵庫県のみ)

兵庫県内を業務で自転車を利用する事業者は、業務中の利用でもカバーできる保険に加入する義務があります。

事業者についての規定があるのは、業務で自転車を利用している場合、一般的に個人で入っている保険の適用ができないからです。

なお、大阪府の条例では、事業者の保険加入は努力義務になっています。

保険の内容

では、どのような保険に加入する必要があるかというと、

 

自転車損害賠償保険等(自転車で事故を起こした場合に、それによって生じた他人の生命または身体の損害を填補することができる保険

 

です。

つまり、対人賠償の保険への加入が義務付けられています。

対物賠償保険は対象ではないので任意になります。

 

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保険の種類

自動車やバイクの保険の場合は、自賠責保険も任意保険も車両にかけるのが一般的です。

しかし、自転車保険の場合は、車両にかけるものだけに限られません

車両にかけていなくも、自転車事故の被害者の生命・身体の損害を補償することができる保険に入っていればOKです。

逆に言えば、そういった補償をすることができる保険であれば、基本的にはどのような保険でもいいということになります。

保険をかけるには、以下の二つの方法があります。

  • 自転車にかける
  • 人(自転車利用者)にかける

 

これらについて少し説明します。

自転車保険義務化

自転車にかける保険

自転車自体にかける保険としては、

  • TSマーク付帯保険

 

というものがあります。

これはTS(Traffic Safety)マークに付帯された保険です。

つまり、自転車安全整備士が自転車を点検整備した際に貼付されるTSマークに傷害保険と賠償責任保険が付いているというものです。

これに加入するには、自転車安全整備店自転車安全整備士の方に自転車を点検・整備してもらう必要があります。

赤色TSマーク青色TSマークの2種類があり、補償内容が異なります。加入する際は、補償内容を確認しましょう。

おおまかな料金の目安は、年間1500円~2000円程度ですが、それぞれの自転車の状態によって点検整備にかかる費用は異なります。

この保険は、自転車にかけられているため、その自転車に誰が乗っても保険に入っている状態になっているというのが特徴です。

人(自転車利用者)にかける保険

次に人(自転車利用者)にかける保険についてです。

保険の種類は様々なものがありますが、主なものとして以下のものがあります。

  • 個人賠償責任保険
    自転車向けの保険
    自動車保険、火災保険、傷害保険などに付帯して自転車事故を補償できるもの
    クレジットカード会員が加入できる保険で自転車事故を補償できるもの など
  • 共済保険
    全労済、JA(農協)共済、コープ共済、都道府県民共済 など
  • 団体保険
    会社等の団体保険、PTAの保険 など

 

当然ですが、以上のような保険に加入していれば、どれでも自動的に自転車事故の補償ができるということではなく、それぞれ契約の内容によりますし、補償額も違いますので、しっかりと確認する必要があります。

また、保険の契約者本人だけでなく、家族の自転車事故の補償もできる場合もありますので、この点もチェックポイントです。

すでに入っていた!?

保険には様々なものがあって複雑なため、ご自身がすでに自転車事故の補償ができる保険に加入しているのに、気が付いていない、あるいは忘れていたということも考えられます。

「すでに入っていた!」ということもあり得ますので、今一度、ご自身が加入されている保険の内容を確認されることをおすすめします。

 

自転車保険未加入の罰則は?

自転車保険に加入していないことについての罰則はありません

しかし、たとえ罰則がなくても、加入せずに大阪府や兵庫県で自転車を運転すれば立派な条例違反行為になります。

自転車保険未加入についての独自の取り締まりは今のところは行われていないようですが、決して努力義務というわけではありませんので、その点は気を付けましょう。

 

おわりに

以上、自転車保険が義務化された地域とその内容についてでした。

今のところ、大阪府と兵庫県でのみ自転車保険が義務化されていますが、それ以外の地域であっても自転車保険に加入しているに越したことはありません。もしもの時の備えて、それ以外の地域であっても自転車保険を検討してみる価値はあります。

自転車事故をカバーする保険はさまざまなものがありますので、ご自身にあったものを探されてください。

 

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