法律 自動車・バイク関連

間違えやすい自動車・バイクの交通ルール|基本的でも混乱しやすい規則について

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日ごろ車やバイクを運転している方でも、免許を取るときに習った交通ルールを再確認する機会はあまりないのではないでしょうか。

運転免許の試験は満点をとらないと合格できないわけではなく、例えば普通自動車免許の学科試験は、100点満点で90点以上の正解で合格といったような基準が設けられています。

そのため、免許取得直後であっても、合格者全員が100%正確な知識を持っているとは限りません。

改めて交通ルールを見直す機会としては、免許証を更新するときが考えられます。

しかし、免許更新時でも、優良ドライバーの場合は講習が簡素化されていたり、それ以外の講習でも時間的に限界があったりしますので、意識的に自分でチェックしていくことが大切になってきます。

この記事では、車やバイクを運転するときに、間違えやすい、混乱しやすい、あるいは守られていないことが多いと思われる基本的な交通ルールについてまとめてみました。

交通の安全に役立てていただけると幸いです。

一時停止関連

まずは一時停止関連です。

一時停止すべき主な場合は以下です。

  • 歩道等を横断するとき(法17条2項)
  • 踏切の直前(法33条1項)
  • 横断歩道等を横断しようとする歩行者等があるとき(法38条1項)
  • 赤色の灯火の点滅信号(道路交通法施行令2条1項、法4条4項)
  • 緊急自動車や消防用車両を優先させる場合(法40条、41条の2)
  • 指定場所(道路標識等がある場合)(法43条)

これらについてはほとんどの方がご存知のことと思います。

ちなみに、「一時停止」とは、車両等を一時的に停止することで、車輪を完全に停止させる必要があります(二輪車が一時停止する際に足を地面につけなければいけないという規定はありませんが、車輪を完全に停止させれば、結果的に足が自然と地面につくものと思われます)。停止場所は停止線がある場合はその直前です。

ここで取り上げたいのは、上から3つ目の「横断歩道等を横断しようとする歩行者等があるとき」についてです。

横断歩道等を通過する際の一時停止

横断歩道等(横断歩道又は自転車横断帯)を横断しようとしている歩行者等(歩行者又は自転車)がいる場合は、その横断歩道の直前(停止線がある場合は停止線の直前)で一時停止してその通行を妨げてはならない(法38条1項後段)という義務があります。

ところが、信号機のない横断歩道ではこれが守られていないケースが多いのではないでしょうか。

JAF(一般社団法人日本自動車連盟)が行った全国調査でも9割以上の車両が一時停止をしないというデータが出ています(信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査)。

歩行者側も、車が通り過ぎるのを待つものだとの感覚の方が多いと思われます。

しかし、法令上は歩行者優先となっています。ドライバーに歩行者優先の意識が根付いている国から日本に来た方のなかには、そのギャップに驚かれる方もいるようです。

細心の注意を

注意が必要なのは、認識がバラバラの状態で、ルールを守る人とそうでない人が混在した場合、非常に危険な状態になる可能性があります。

例えば、信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているときに一時停止する車がいる一方で、後続車が追い越しや追い抜きをしようとしたり、対向車がその横断歩道を通過しようとしたりするなどの場合です。

こういった状況を防ぐために、交通ルールを再確認するための啓蒙活動などを強化したり、取り締まりを強化するなどの必要性を感じます。

駐車と停車の違い

次は「駐車」と「停車」の違いについてです。

車を運転していて気を遣うことの一つは、車を停めるときではないでしょうか。車から離れるときは駐車…、といったような漠然としたイメージで停車との区別があいまいになってはいないでしょうか?

法律上は駐車と停車は区別されていて、停車はできても駐車はできないといった場合がありますので、これらの区別をはっきり確認しておく必要があります。

駐車とは

駐車とは、法律では以下のように規定されています。

駐車 車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で五分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)、又は車両等が停止し、かつ、当該車両等の運転をする者(以下「運転者」という。)がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう。

出典:道路交通法2条1項18号

すなわち、駐車とは以下の二つの場合です。

  • 継続的に停止すること
  • 停止して運転者が車両等を離れて直ちに運転できない状態にあること

順番に説明していきます。

継続的に停止すること

法律では

  • 客待ち
  • 荷待ち
  • 貨物の積卸し
  • 故障
  • その他

を理由として継続的に停止する理ことが駐車とされます。

ただ、

  • 五分を超えない貨物の積卸し
  • 人の乗降のための停止

は除外されています(この二つは駐車にならない)。

継続的」とはどの程度なのかは明確にされていません。

時間の長短だけでなく、運転者が継続的な意思をもって停止したか否かなど、具体的状況に応じて社会通念によって(道路交通執務研究会編著「執務資料 道路交通法解説17訂版」57頁参照)判断されると考えられます。

五分を超えない」は、貨物の積み下ろし時だけの基準なので、その他の場合の基準にはなりません。

駐車禁止場所などについては鹿児島県警察の「駐車できない場所と駐車方法について」のページを参考にしてみてください。

停止して運転者が車両等を離れて直ちに運転できない状態にあること

停車させて運転者が車を離れ、直ちに運転できない状態にある場合も「駐車」になります。

直ちに運転できない状態」であれば、車両から離れた距離は問われません。

逆にいうと、運転席から離れていてもすぐそのかたわらにいて、いつでも発車できる状態であればこれに当てはまりません(道路交通執務研究会編著「執務資料 道路交通法解説17訂版」62頁参照)。

停車とは

停車については以下のように規定されています。

停車 車両等が停止することで駐車以外のものをいう。

出典:道路交通法2条1項19号

とされています。

上の項目で説明した「駐車」に当たらないとされた

  • 五分を超えない貨物の積卸し
  • 人の乗降のための停止

や、

  • 運転者が直ちに運転できる場合で継続的停止でないもの

はもちろん、その他「駐車」にあてはまらない状態での車両等の停止は「停車」になります。

ライト関連

運転していて暗くなった場合や霧などで前が見えにくい場合は、自然とヘッドライトを点灯させると思います。

点灯が必要な場合

車両等がライト(前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火)を点灯させなければいけない場合は以下です(道路交通法52条1項、道路交通法施行令19条参照)。

  • 夜間道路にあるとき
  • トンネルの中
  • 濃霧がかかつている場所
  • その他の場所で、視界が高速自動車国道及び自動車専用道路においては二百メートル、その他の道路においては五十メートル以下であるような暗い場所

ちなみに「夜間道路にあとき」とは、走行しているときだけでなく、駐車または停車している場合もすべて含まれます(道路交通執務研究会編著「執務資料 道路交通法解説17訂版」539頁参照)。

ただし、駐停車時に点灯しなくてよい場合もあります(道路交通法施行令18条2項参照)。

ハイビーム?ロービーム?

前照灯(ヘッドライト)を点灯させるときは、ハイビームかロービーム、どちらで点灯させるのが正しいでしょうか。

前照灯は、道路運送車両の保安基準32条で「走行用前照灯」(通称ハイビーム)と「すれ違い用前照灯」(通称ロービーム)に区別されています。

そして法令では、

  • 他の車両等と行き違う場合
  • 他の車両等の直後を進行する場合

において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、ロービームしなければならないことになっています(道路交通法52条2項、道路交通法施行令20条1号参照)。

ということは、それ以外の場合はハイビームにしておことが求められます。

違和感を感じ方もおられるかもしれませんが、このようなルールになっています。

警察庁は以下のページでハイビームの活用について紹介しています。

ハイビームの上手な活用で夜間の歩行者事故防止

携帯電話・スマホの操作について

運転中に携帯電話やスマホ(スマートフォン)を使用することが制限されていることは、ほとんどの方が共通認識としてもっておられると思います。

ではスマホの操作やカーナビ機能を使うとき、ハンズフリーで通話する時などはどのようにすればいいのでしょうか。

禁止されていること

自動車等(自動車又は原動機付自転)を運転する場合は、停止しているときを除き

  • 携帯電話・スマホを通話のために使用
  • 画面に表示された画像を注視

することが禁止されています(道路交通法71条5号の5)。

もっとも、通話のために使用する携帯電話やスマホ(携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置)は、

その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないもの」に限って禁止されているため、手に持つ必要がないタクシー無線やハンズフリー装置を使った電話の使用は禁止されていません。

また、運転中に画像を注視することも禁止されていますが、「注視」とは見続ける行為のことです。二秒以上見続けると運転者が危険を感じるとされています(道路交通執務研究会編著「執務資料 道路交通法解説17訂版」765頁参照)。

上記に反しない態様、例えば画面を注視せずにカーナビ画面を一瞥したり、画面をタップする行為は可能とも考えられますが、安全運転が妨げられるような操作は、安全運転義務(道路交通法70条)に違反する可能性があります。

停止中は?

上記のような行為は「停止しているときを除き」禁止されているものなので、その反対解釈として停止しているときは禁止されていないと考えることができます。

そうだとすれば、停止中は手にもって通話することも、画面を注視することも可能ということになります。

ただ赤信号などで停止中であっても、すぐに走り出す必要があるなどの場合は時間が限られてきますので、十分に注意する必要があります。

原付の二段階右折

自動車の免許を取得すれば原付(50cc以下の原動機付自転車)を運転することができます。

バイクに興味がない方でも、原付バイクを運転する機会があるかもしれません。

原付の運転で特徴的な交通ルールは、時速30キロ制限と二段階右折です。

二段階右折をしなければいけないところは法令で決まっています。現場で混乱しないためにも、あらかじめチェックして頭に入れておく必要があります。

詳細は以下の記事にまとめていますので、参考にしてみてください。

原付が二段階右折しなければいけない場所とその方法について

おわりに

間違えやすい自動車・バイクの交通ルールについてまとめてみました。

なんとなくわかっているつもりでも、正確に理解していなかったということもあるかもしれません。あいまいなままの理解で運転をしていると、思わぬ危険が生じることにもなりかねません。

再確認をして安全運転に役立てていただければ幸いです。

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