ワゴンR(MH21S)のLLC(冷却水・クーラント液)を交換する方法について紹介します。

今回交換する車は12万キロ走行しています。中古車で購入した車でいつ交換したのか不明で、リザーバータンク内のLLCの色は濃くて量も減っていたので交換することにしました。

古いLLCを抜いて新しいLLCを入れる前にラジエーター内部を洗浄する場合は、以下の記事を参考にしてください。

ワゴンR(MH21S)のラジエーターを洗浄剤でフラッシングする方法

LLCは頻繁に交換するものではありませんが、一般的には7~10年または十数万km走行のいずれか早いほうごとに交換するとされています。メーカーによっては車検ごととしているところもあります。

事前準備

LLC交換前の準備として、車を作業ができる水平な場所に停めます。水平でないとLLCを排出できる量が変わってきますので、なるべく水平なところで作業することをお勧めします。

傾いている所でしか場所を確保できない場合は、水平器を使いながらジャッキアップして水平にしてもよいかもしれません。

エンジンをかけてヒーターの温度調節をMAXにしてエンジンを止めます。これをするのは、ヒーターコアのバルブを開いてヒーターコア内の冷却水も排出させるためです。

今回使用したのはリーズナブルな価格のLLCです。

この車の規定量は3.3Lなので2本入手しました。

またLLCの注入は、クーラントチャージャーを使用しました。

古いLLCの排出

冷却水が冷えた状態であることを確認してから、古いLLCを排出していきます。

LLCを排出するために緩めるドレンコックはラジエーター下にあります。エンジンルームを上から見ると下のほうにあります。

 

このドレンコックの下に小さなバケツなど容器をセットして、ドレンコックをゆっくりと緩めていきます。一気に緩めるとLLCが勢いよく出て飛び散る可能性がありますので、少しずつ排出するのがおすすめです。

排出し始めたら、エンジンルームにあるラジエーターキャップを緩めておきます。

キャップを取り外すには、左に一旦止まるまで70度ほど回転させ、そこからさらに左に70度ほど回転させて、上へ持ち上げるとキャップが外れます。固くなっていることがありますが、少し下に押し付けるようにしたりして頑張って回します。

すべて排出できたらドレンコックを取り付けますが、この時、ドレンコックを新品に交換するか、少なくとも先についているゴムパッキンを新品に交換しておきましょう。

リザーバータンクの洗浄

LLCが排出されたら、リザーバータンク(リザーブタンク)を取り外して水洗いします。

タンクの取り外し方は、キャップのホースを外して、上方向に引き抜くだけですが、エアダクトが邪魔になるのでエアダクト入口のクリップを外してずらしておきます。

ラジエーターから出ているホースにも少し干渉するので斜めに傾けながらタンクを取り外します。この時、タンクの外側にシリコンスプレーを軽く吹き付けると取り外しやすくなります。

タンクを外せたら、水道水でよく水洗いします。

タンク内にこびりついた汚れは、塩素系のキッチンブリーチで漂泊することができますが、汚れがひどいばあいは、数日間程度つけおきする必要があるため、時間がかかります。

LLCの注入

リザーバータンクにLLCをMAXよりも少し多めに入れて元通り取り付けます。

次にラジエーターの注入口にクーラントチャージャーのキャップを取り付け、ファンネルを差し込みます。

このクーラントチャージャーのファンネルは開閉式なので、真ん中の棒を引き上げて底を開いておきます。

LLCの規定量は3.3Lですが、量を測って入れるということはせず、まずはファンネルの底に少し溜まるくらい(最初から多く貯めすぎると余る量が多くなる可能性があります)までLLCを入れます。

今回使うLLCは希釈せずにそのまま使うタイプですので、そのまま入れます。

この状態ではラジエーター内がLLCで全て満たされたわけではなく、空気が入っている可能性が高いので、エア抜きという作業が必要になります。

ファンネル内にLLCがある程度溜まっていることを確認し、エンジンをかけてアイドリングをします。

目安としては15分~20分程度です。アイドリング中、ファンネル内に泡が出てきて、その分LLCが減っていきます。ファンネル内のLLCがなくなりそうになった場合は、少しずつつぎ足していきます。

リザーバータンク内のLLCの量も確認して、MAXレベルより減ってきたらつぎ足します。

15分~20分程度アイドリングをして、これ以上泡が出ない状態になったらエンジンを停止します。

最初に引き上げたファンネルの真ん中の棒を引き下げるとファンネルの底が閉じますので、閉じた状態で取り外します。

ファンネル内に余ったLLCはリザーバータンクに入れるか処分します。アイドリング後のLLCは熱くなっているので注意が必要です。

ラジエーターキャップは古いものは新品に交換して取り付け、リザーバータンクには多めにLLCを入れておきます。全体を見渡してLLC漏れがないか確認して作業終了です。

その後しばらくは乗車後にリザーバータンク内のLLCの量をチェックしてMAXレベルより減っているようだとつぎ足して様子を見ます。

おわりに

LLCの交換はそれほど難しくはありませんが、エア抜きのためにアイドリングをしたり、LLCの量を確認しながらつぎ足したりと、多少の時間と手間がかかります。

面倒でもきちんと作業をして、不具合が出ないように交換することが大切です。

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